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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第50話:平和な日々

「マリオネット様、またサターン様があちらからこっちを見ておりますわ。よほどマリオネット様の事が、心配なのですね」


「本当ですわ、最初は恐ろしい方と思っておりましたが、ああやってマリオネット様を心配そうに見つめている姿を見ると、なんだかお可愛らしい方ですわね」


 そう言って、クスクスと笑っている令嬢たち。


 サターン様と婚約を結んで、もうすぐ1ヶ月になる。お昼はサターン様と過ごし、放課後は友人たちと過ごす、そんな日々を送っているのだ。


 ただ、こうやって放課後友人達とお茶をしていると、いつも遠くからサターン様がこちらを見つめているのだ。どうやら私が他の殿方に言い寄られないか心配で、見張っているらしい。


 最初は怯えていた令嬢たちも、今ではすっかり慣れ、微笑ましそうに見つめてくれている。


「皆様、いつも温かく見守って下さって、ありがとうございます。明日はいよいよ卒業式ですわね。どうかこれからも、仲良くしてくださいね」


「もちろんですわ、マリオネット様とレア様とは、短い期間しか仲良くできなかったですが、それでも大切な友人だと思っておりますわ」


「私たちもですわ。これからもどうかよろしくお願いしますね」


 そう言ってほほ笑んでくれた令嬢たち。


「マリオネット、そろそろサターン様のところに、行ってあげたら?それにしても、サターン様の執着はすごいわね。でも、あなたもずっと、サターン様を追い回していたのだから、お互い様か」


 そう言って笑ったレア。レアは卒業と同時にお兄様と結婚し、我が家にやってくるのだ。レアが義理のお姉様になると思うと、今から楽しみだ。


「そうね、それじゃあ私は、そろそろ帰りますわ。皆様はこの後も楽しんでくださいね」


 そう伝えると、急いでサターン様の元へと向かった。


「サターン様、お待たせしてごめんなさい。さあ、帰りましょう」


「友人達とのお茶は、もういいのかい?俺の事は気にしなくてもいいのだよ」


「もう十分話しましたので。いつも見守って下さり、ありがとうございます。さあ、帰りましょう」


 サターン様の手を握り、2人で馬車へと向かう。


「こうやってサターン様と学院を歩くのも、明日で最後なのですね。なんだか寂しいですわ」


「そうだね、この学院で君と再会し、こうやって結ばれることが出来たからね。とはいえ、学院を卒業したらずっと一緒だ。引越しの準備は進んでいるかい?」


「ええ、もちろんですわ。もういつ引っ越しても、大丈夫な状態になっております」


 貴族学院を卒業した翌日には、ディーズ公爵家に引っ越すことになっている。本当は結婚してからでもよいのだが、サターン様の強い希望でその様になった。


 レアも卒業と当時に、我が家に嫁いでくる。既に我が家の隣には、お兄様とレアが住む新居も完成しているのだ。


 レアと一緒に、日中過ごす日々も少しだけ楽しみにしていたのだが、私がたまに実家に帰れば、いつでもレアに会えるから良しとしよう。


「マリオネット、今日はちょっと用事があって、家まで送れなくてね。念のため、こいつを持って行ってくれ」


 話をしている間に、馬車の停留所まで来た。いつもサターン様が屋敷まで送ってくれるのだが、今日は用事がある様で、サターン様の分身でもある可愛らしい鳥を出してくれたのだ。


「サターン様ったら、御者もおりますし、問題なく帰れますわ。それに魔法を使うと、体に負担がかかるのでしょう?また鳥を出して。もしサターン様の身に何かあったら大変です。どうかこの子はおしまい下さい」


 どうやら魔力を使うことは、体への負担が大きいらしい。過去に魔力を使いすぎて、若くして命を落とした方がいたほどだ。ただでさえ、ディーズ公爵家の方たちは我が国の貴族に比べると、短命な方が多いとの事。


 サターン様には、1日でも長く生きてほしい。だからこそ、極力魔力を使ってほしくない。たとえ簡単な魔法だったとしてもだ。


「マリオネットは心配性だね。わかったよ、それじゃあ、こいつは閉まっておこう」


「サターン様、どうかあまり魔力を使わないで下さい。もしあなた様の身に何かあったら、私は生きていけませんわ」


 必死にサターン様に訴える。そんな私に、少し困った顔のサターン様。


「分かったよ、そんなに心配しなくても大丈夫なのだが…とはいえ、マリオネットを不安にさせてはいけないからね。極力魔法は使わない様にするよ。それじゃあ、気を付けて帰るのだよ」


 私を抱きかかえ馬車に乗せると、口づけをして馬車から降りて行ったサターン様。なんだかんだ言って、私の気持ちを最優先に考えていくれる。


 明日の卒業式が終われば、ずっと一緒にいられる。卒業は正直寂しいが、これからずっとサターン様と一緒にいられると思うと、ワクワクするのだ。


 きっとこれから、この幸せがずっと続く、そう強く思ったのだった。

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