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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第4話:少しだけ前進できたかな?

「サターン様?」


 なぜか私を見つめ、全く動かないサターン様、一体どうしたのかしら?訳が分からず、首をかしげる。


 すると何を思ったのか、腕を掴まれ、そのままその場に座らされた。


「おでこと足から血が出ているぞ。侯爵令嬢が顔を怪我なんてしたら、使用人たちが大騒ぎだ。これを付けておけば、すぐにケガが治る」


 サターン様が、傷口を手当てしてくれた。


「サターン様、お手当てまでして下さり、ありがとうございます。またあなた様に助けられましたね。覚えていらっしゃらないかもしれないけれど、5年前私はあなた様に森で助けていただいたのです。


 あの時あなた様が助けて下さらなかったら、今の私はいませんわ。宜しければ、お友達になってください」


 真っすぐ彼に気持ちを伝えた。


「友達だと?」


「はい、友達です」


 笑顔でそう答えた。


「俺はお前と仲良しこよしするつもりはない。他を当ってくれ」


 クルリと背を向けると、そのままその場を離れようとするサターン様。せっかく仲良くなれそうなのに、このまま引いてなるものか。


「お待ちください、さすがにお友達は図々しかったですね。それじゃあ、またこちらに来てもいいですか?もちろん、サターン様の読書の邪魔をするつもりはありませんから。お願いします」


 何度も何度も頭を下げた。せっかく掴んだチャンスを、逃したくはなかったのだ。


「好きにしろ」


 そう呟くと、サターン様は再び歩き出した。


 好きにしろという事は、私がここに来てもオッケーという事よね。


「マリオネット、あなたやっぱりここに来ていたのね…どうしたのよ、その怪我は!もしかして、あの男に…」


 私の元にやって来たのは、レアだ。どうやら私の怪我を見て、誤解している模様。


「落ち着いて、レア。さっき豪快に転んじゃって、それでサターン様が手当てしてくれたのよ。それからね、ここに来ることを了承してくれたの。ほら、だから私が言った通りでしょう。サターン様は、本当はとてもお優しい方なのよ」


「手当てって…あの男が?信じられないわ。でも、確かに手当てをしてもらっている様ね…」



「だから言っているじゃない!私はやっぱり、サターン様と仲良くなりたいの。絶対にレアや家族には迷惑をかけないから。ね、お願い。明日からサターン様との時間を私に作らせて」


 レアの気持ちもわかる。それでも私も譲ることが出来ないのだ。そんな私に、小さくため息をつくレア。


「分かったわ、正直心配だけれど、マリオネットは言い出したら聞かないものね。いい、マリオネット、危険だと感じたら、すぐに戻ってくるのよ。万が一あなたに何かあったら、私もあなたの家族も悲しむのだから」


「もう、レアったら大げさね。私は大丈夫よ。それに、サターン様に告発される様な、悪い事は何一つしていないし。任せて!」


 胸を叩いてアピールする。


「マリオネットには敵わないわ。さあ、帰りましょう。それよりもあなた、おでこまで怪我をしているじゃない。一体どういう転び方をしたのよ?」


「ちょっとね…顔からダイブしちゃったの。でも、大丈夫よ。もう痛みもないから」


 サターン様の手当てのお陰で、もう痛みはない。とはいえ、さすがに令嬢が顔にけがをしたとなると、使用人たちは大騒ぎをするだろう。


 レアも同じ事を思ったのか


「傷口、そんなに酷いの?あなたの家の使用人たちが知ったら、大騒ぎよ。ちょっと見せて」


 ゆっくりガーゼをはがすレア。


「あら?あなた、本当におでこに怪我をしたのよね?綺麗に治っているわよ」


「レアったら、そんな事ある訳ないでしょう…本当に怪我が治っているわ」


 そんな事はある訳ない、そう思いながら手持ち鏡でおでこを確認すると、確かに綺麗に傷が治っている。とはいえ、ガーゼには血が付いた痕があるため、間違いなく怪我をしていたはず。


「サターン様のお薬、本当によく効くのね。まさかこんなに綺麗に治るだなんて」


 きっとサターン様が、高価な薬を私に塗ってくれたからだわ。サターン様に感謝ね。


 ただ、レアは渋い顔をしている。


「レア、どうしたの?そんなに渋い顔をして」


「いいえ、何でもないわ。さあ、帰りましょう」


 レアと一緒に馬車へと向かう。今日は転ぶという失態を犯してしまったが、それでもサターン様と少しだけ話が出来た。また丘に来て良いと言ってもらえたし、少しずつだけれど、確実に前進している。


 それがなんだか嬉しい。


 よし、明日も頑張るぞ!

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