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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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3/8

第3話:まずはお話しから

 翌日

「マリオネット、どこに行くつもり?」


 びくりと肩を震わせる。こっそりとサターン様がいらっしゃるであろう、丘に向かおうとしたところを、レアに見つかってしまったのだ。腕を組み、怖い顔で私を見つめるレア。


「あら、レア。そんなに怖い顔をして、どうしたの?」


「どうしたの?じゃないでしょう。あなた今、どこへ向かおうとしていたの?まさか、サターン様の元ではないわよね。あなたの耳にも入ったはずよ。同じクラスのアントニー様が、昨日停学3ヶ月の処分を受けた事を。


 先月だって、公爵令嬢のミリアナ様が、停学処分を受けたばかりよ。噂によると、サターン様からの密告らしいわ。とにかく、あなたもサターン様に目を付けられたら大変よ。わかっているの?」


「そうそう、アントニー様が今日からいなくて、本当に快適よね。あの人、ずっと私に付きまとっていて、迷惑だったのよ。いつも威張っていて感じも悪かったし。身分の低い生徒を、顎で使っていたり、言う事を聞かない子たちに暴力をふるっていたのでしょう?自業自得よ。


 ミリアナ様だって、いつも私に意地悪をして。人の悪口が大好きで、本当に苦手だったのよね。婚約者がいるのに、学院で不貞を働いていただなんて…停学になって当然よ。


 彼らは人として、良くない事をしたから停学になったの。私は真面目に生きているから、大丈夫よ」


 そう、彼らは悪い事をしたから、罰を受ける事になったのだ。自業自得。むしろ彼らを告発してくれたサターン様には、大感謝だ。


「本当にあなたは、呑気なのだから…」


 レアが頭を抱えてしまった。きっとレアの事だ、私を何が何でもサターン様の元に、行かせないはず。さて、どうやってレアを巻こうかしら?


「レア嬢、ここにいたのですね。先生が呼んでいましたよ」


「先生が?ありがとうございます。すぐに行きますわ。いい、マリオネット、絶対にここから動かないでね。動いたら承知しないからね」


 そう言い残し、レアは急ぎ足で去って行った。


 これは神様がくれたチャンスだわ。


「あなた、レアを私から遠ざけてくれてありがとう」


 レアを連れ出してくれた令息の手を握り、感謝を伝える。


「マリオネット嬢…その…俺は…」


 なぜか顔を赤くしてモジモジしている彼に手を振り、急いで中庭へと向かう。早くしないと、レアが戻って来てしまうわ。


 どんどん奥へと向かっていくと、丘が見えてきた。よし、今日もサターン様がいらっしゃるわ。


「サターン様!」


 笑顔で彼に声をかけた瞬間、サターン様がこちらを振り向いた。ただ、なぜかスッと立ち上がると、クルリと反対側を向いて歩き出した。


「あっ…待って下さい」


 レアがいない今がチャンスなのだ。せめてあの時のお礼だけでももう一度…そう思った時だった。


 木の根っこに躓いて、豪快に転んでしまった。


 ドスリという鈍い音が、響き渡る。15歳にもなって、こんなに豪快に転ぶだなんて、恥ずかしすぎる。それも昨日も同じ様に転んだのだ。その上、今日は足も痛い。恥ずかしさと痛みで、一気に涙が込み上げてきた。だめよ、泣いたら。転んで泣くだなんて、子供と一緒じゃない。


 どうしよう、とにかく落ち着かないと。きっとあのままサターン様はどこかに行ってしまったわよね。という事は、ここには私一人。多少みっともない姿でも、問題ないはず。


 ゆっくりと体を起こす。すると


 あら?誰かの足があるわ。もしかして!


 顔をあげると、美しい黒い瞳と目が合ったのだ。まさかサターン様が、私を心配して駆けつけてくれたのかしら?きっとそうだわ。


 急いで起き上がり、汚れた制服を手ではらう。


「サターン様、私を心配して様子を見に来てくださったのですね。嬉しいですわ、よろしければ一緒にお話しをしませんか?」


 笑顔で彼に話しかけた。やっぱりサターン様は、お優しい方なのよ。そうよ、皆サターン様を誤解しているだけ。

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