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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第36話:何が起こっているのでしょうか?

 王宮に着くと、今日もぺスタナ殿下が待っていた。彼の姿を見た瞬間、やはり体が強張る。それでもなんとか笑顔を作った。


「おはようございます、ぺスタナ殿下」


「おはよう、マリオネット嬢。ずっと君が来るのを、待っていたのだよ。気持ち、固めてくれたかい?」


「ぺスタナ殿下、おはようございます。立ち話も何ですから、王宮内でお話をしましょう」


 私が返事をする前に、お父様が返事をしたのだ。そしてぺスタナ殿下を、王宮の中へと誘導している。まるで、私からぺスタナ殿下を遠ざけるかのように…


「さあ、マリオネットも行きましょう」


 穏やかな表情を浮かべたお母様が、私の腕を掴んだ。そしてお父様たちの後を付いていく。


 陛下たちの待つ部屋につくと、そこにはレアもいた。レアも穏やかな表情を浮かべている。きっと私を心配して、貴族学院がお休みの今日は、陛下に頼んで同席させてもらったのだろう。


「皆様、お待たせしてしまい、申し訳ございません」


「本当ですよ、侯爵殿。私はずっと、マリオネット嬢が来てくれるのを、首を長くして待っていたのに。それなのに、何日も待たせるだなんて。もちろん、いい報告をしに来てくださったのですよね」


 笑顔でぺスタナ殿下が、お父様に迫る。


「ぺスタナ殿下、その件なのですが…」


「ぺスタナ殿下、大変申し訳ございませんが、陛下とも話をした結果、マリオネットはこの国の令息に嫁がせることに決めました。相手も既に決まっております。ですので、あなた様の元に、マリオネットを嫁がせる訳にはいきません」


「お父様、何を…」


「ファレリス侯爵、一体どういうことだい?マリオネット嬢には、特定の婚約者がいないと言っていたよね?それに何よりも、私の元に嫁げば、この国にとって利益も大きい。それなのに、断るだなんて!」


 私の声をかき消すように、ぺスタナ殿下がお父様に迫っている。お父様も陛下も、一体何を考えているのだろう。私には特定の婚約者などいない。それに私は既に、ぺスタナ殿下の元に嫁ぐと決めたのに。


「ぺスタナ殿下、落ち着いて下さい。今回の婚約は、急遽決まったものです。さらにあなた様にマリオネットを嫁がせるよりも、彼に嫁がせた方が国益が大きいと判断いたしました。もちろん、マリオネットの気持ちも考慮してです」


「私に嫁ぐよりも、国益が大きい相手だって?いい加減な事を言わないでくれ!私はマントレス王国の第二王子だぞ!この国に私よりも国益をもたらす男など、存在しないはずだ!」


 穏やかな表情を浮かべているぺスタナ殿下が、声を荒げている。相当お怒りなのだろう。額には青筋まで現れている。さすがにこのままでは、よくない。


 このままいけば、マントレス王国との国交も途絶えてしまうかもしれない。陛下や家族が私の事を考えてくれているのは嬉しいが、そのせいで国交が途絶えたら申し訳なさすぎる。


「お父様、一体どういうことですか?私はぺスタナ殿下に…」


「マリオネットは黙っていなさい。これは家長でもある、私が決めたことだ。お前の婚約者も、既に決まっている」


「マリオネット、今あなたが口をはさむべきではないわ。さあ、こっちに来て」


 お父様に一括され、さらにレアからも止められてしまったのだ。レアは何か知っているの?私の婚約者とは一体誰?


 もし今回の事で、マントレス王国との外交が途切れてしまったら、他の貴族たちから不満の声が上がるだろう。陛下や我が家はもちろん、ぺスタナ殿下から実質的に私を奪った婚約者にも…


 その事を分かっていて、私と結婚してくれる物好きが本当にいるのだろうか?それとも、ぺスタナ殿下を諦めさせるために、一芝居売っているのだろうか?


 皆の考えていることが、さっぱりわからない。


 “レア、あなたはこの事を知っていたの?私の婚約が決まったという話も。私は一体誰と婚約をするの?わかっているのなら、教えて”


 私に寄り添ってくれているレアに、そっと話しかけた。


 “ええ、知っているわ。マリオネット、焦らなくてもすぐにわかるわ。とにかくあなたは、何も心配しなくてもいいのよ。どんと構えていればいいから”


 そう言ってレアがほほ笑んだ。増々訳が分からない。それは一体、どういう意味なのだろう。

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