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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第31話:やっと前に進める~サターン視点~

「ハァ…ハァ…」


「サターン坊ちゃま、よく耐え抜きましたね。やっと魔力が、あなた様の体に適合したようです。一時はお命の危険すらあったのに…」


「サターン、君もこれでやっと一人前の公爵令息だ。これで私も、いつ公爵を引退してもよさそうだね」


 俺のベッドの周りを囲う様に、父上と魔術師が笑顔で話をしている。やっと魔力が俺の体に馴染んだだと?だが、まだ体がだるい。それにしても魔力を適合させるのに、1ヶ月以上もかかってしまうだなんて…


 確か今日は…こうしてはいられない。すぐに出かけないと!


「サターン坊ちゃま、どこに向かわれるのですか?確かに魔力をうまく体内に取り入れる事には成功いたしましたが、まだ体への負担が解消されたわけではありません。現に息が上がっておられます」


「魔力はうまく俺の体に取り込まれたのだろう?それならもう、問題ない。今日は王宮で、隣国の王子の歓迎会が行われると聞いた。俺も公爵令息として、参加しない訳にはいかない」


 マリオネットは非常に美しいし、令息たちからも人気が高い。ただでさえ1ヶ月以上も、彼女を1人にしてしまったんだ。それにもし隣国の王子が、マリオットを気に入ってしまったら面倒だ。


 とにかく、今日の夜会に行かない訳にはいかない。


 なんとか立ち上がり、夜会の準備をしようと思ったのだが…


「サターン、無理は良くないよ。君の可愛いマリオネット嬢は、私が見ているから。今日はゆっくり休みなさい」


「どうしてマリオネットを、あなたに任せないと…」


 その瞬間、膨大な魔力が俺を襲った。しまった、油断した。そう思った時には、時すでに遅し。そのまま意識を失ったのだった。


 次に目が覚めると、辺りはすっかり暗くなっていた。時計を見ると、夜中の2時を回っている。


 その瞬間、体中から怒りが沸き上がった。あの男のせいで、俺は今日、夜会でマリオネットを見守る事が出来なかったのだ。


 とはいえ、体はすっかり楽になったし、何よりも感情的になっても、魔力が暴走する事もなくなったのだ。それに、今まで感じた事のない体中からみなぎる魔力を感じる。


 これでやっと、マリオネットに触れられるし、気持ちを伝えられる。正直俺が寝込んでいる間に、愚かな令息どもが、マリオネットの周りをうろついていたと思うと、腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えるが、過ぎたことは仕方がない。


 明日から、令息どもを近づかせない様にすればいい。今までマリオネットには、冷たい態度をとってしまっていたから、きっと辛い思いをさせてしまっただろう。これはから、ずっと彼女の傍にいよう。


 マリオネット、俺が傍にいたら喜んでくれるかな?やはり俺に恐怖を感じ、逃げて行ってしまったらどうしよう。いいや、マリオネットに限って、そんな事はない。それに何よりも、もう俺がマリオネットなしでは生きていけない。


 マリオネット…


 彼女の事を考えるだけで、胸が温かいもので包まれる様な、何とも心地よい気持ちになる。彼女の笑顔を見るだけで、鼓動が高鳴り、不思議と気持ちがよくなるのだ。マリオネットの事を考えれば考えるほど、気持ちが高ぶってくる。


 早くマリオネットに会いたい、彼女に触れたい、可愛い声が聞きたい。そんな思いが、溢れ出す。


 そうしている間に、いつの間にか夜が明け、朝になっていた。しまった、マリオネットの事を考えていたら、いつの間にか時間が過ぎていた。急いで着替えを済ませ、馬車に飛び乗る。


 本当なら朝一番に学院に向かい、マリオネットを待つ予定だったのに。


 馬車から急いでおりる。周りが俺を見てざわついているが、こいつらなんてどうでもいい。マリオネットはどこにいるのだ?


 辺りを見渡すと、いた!


 あろう事か、令息どもに囲まれているではないか。その瞬間、体が勝手に動き、マリオネットを抱き寄せた。柔らかくて温かい感触が、体中に伝わる。一気に血の気が沸き上がる様な感情におそわれるが、魔力が暴走する事はない。


 やっと…やっと彼女に触れられた!それが嬉しくてたまらない。そんな俺をそよに、ゆっくりと振り向くマリオネットの美しい紫色の瞳と目が合った。相変わらずオレンジのオーラを出しているが、なぜか今日は青いオーラも出ている。


 この青いオーラは、一体なんだ?よくわからないが、それでも心地よさは健在だ。このままマリオネットの温もりと心地よさを感じていたいのはやまやまだが、まずこいつらをなんとかするのが専決だ。


 とはいえ、俺が少し脅しただけで、令息どもはものすごいスピードで逃げて行ったのだった。

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