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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第29話:王宮に呼び出されました

 屋敷に帰ると、なぜかお父様とお母様、さらにお兄様が待っていたのだ。


「ただいま帰りました。皆様お集まりで、どうされたのですか?」


「お帰り、今日は随分と遅かったね。実はちょっと、君に話があって…」


 言いにくそうに、お父様が話しかけてきたのだ。お母様も暗い顔をしているし、お兄様も心なしか悲しそうだ。きっと良くない話なのだろう…


「着替えて参りますから、少しお待ちください」


 そう伝えると、急いで着替えを済ませ、両親とお兄様の待つ居間へと向かう。


「お待たせして申し訳ございません。それで一体、何があったのですか?今日王宮に行って来たのですよね?その顔だと、上手くぺスタナ殿下に言いくるめられたのですか?」


 今日両親のお兄様は、王宮に行って来たのだ。きっと、ぺスタナ殿下の事なのだろう。現にお父様のお兄様が、苦笑いをしている。


「実はね、ぺスタナ殿下がどうしても君を婚約者にして、国に帰りたいと言っていてね。もしマリオネットが、ぺスタナ殿下との婚約を受け入れてくれたら、我が国にかなり有利な条件で、貿易を進めてくれると言っていて。


 もちろん陛下や王太子殿下も、マリオネットの気持ちを知っている事もあり、君の気持ちを大切にしたいと言ってくれていてね。何よりも、レア殿下がきっと、マリオネットをぺスタナ殿下に売るような事をよしとしないだろうし」


「とにかく明日、一度王宮に来てほしいとのことでな…すまない、もう二度とぺスタナ殿下には、マリオネットに近づかせないようにするつもりだったのだが」


 お父様が、申し訳なさそうな顔をしている。


「お父様のお気持ちは分かりましたわ。明日王宮に向かえばいいのですね。承知いたしました」


 本当はものすごく気が重いが、これ以上お父様たちに、気を使わせる訳にはいかない。私は侯爵令嬢だ、家の為、しいては国の為に生きないといけないのだ。


 とはいえ…


 あのうさん臭いぺスタナ殿下の顔を思い浮かべただけで、震えが止まらなくなる。とにかく明日は、うまくやり過ごそう。大丈夫、今回は王宮の皆がいる場所で会うのだ。2人きりになる訳ではない。


 でも、もしぺスタナ殿下が、私と2人きりで話がしたいとおっしゃったらどうしよう。考えれば考えるほど、頭が痛くなってきた。


「お嬢様、大丈夫ですか?夕食のお時間ですけれど…」


 心配そうに声をかけてきたのは、使用人たちだ。いけない、色々と考えすぎてしまっていたわ。


「ええ、頂くわ」


 すっと立ち上がり、食堂に向かおうとしたのだが


 ゴン


「お嬢様、大丈夫ですか?」


 何を思ったのか、壁にぶつかってしまったのだ。いくらぺスタナ殿下の事で頭がいっぱいだからって、壁にぶつかるだなんて。


「ええ、大丈夫よ。なんだか今日は食欲がないみたいだから、湯あみをして休むわね」


「承知いたしました」


 その後湯あみを済ませて布団に入ったが、やはり考える事といえば、明日の事ばかり。結局その日は、目を閉じるたびにぺスタナ殿下の顔を思い浮かべてしまい、ろくに眠る事が出来なかったのだった。



 翌日

 貴族学院をお休みし、王宮に行く準備を進める。こんなにも憂鬱な気持ちでドレスを着るのは、初めてだ。出来る事なら逃げ出したい。でも、その様な事は許されない。


 着替えを済ませると、重い足取りで馬車へと向かう。


 すると既に両親とお兄様が待っていた。


「お待たせしてしまい、申し訳ございません」


「そんな事は気にしなくてもいいのだよ。それじゃあ、行こうか」


 4人で馬車に乗り込み、王宮を目指す。何とも言えない空気が、馬車内を包んでいる。なんだか気まずい。


「マリオネット、本当にすまない。君にこんな負担をかけてしまった事。マリオネットは、ぺスタナ殿下が苦手だと知っていたのに。とにかく、マリオネットは正直に自分の気持ちを話してくれていいから。陛下も王太子殿下も、了承してくれているからね」


「お心遣い、ありがとうございます。はい、自分の気持ちを正直に、ぺスタナ殿下に伝えますわ」

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