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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第28話:私にできる事

 レアに私の気持ちを、はっきりと伝えた。卒業まで後2ヶ月。なんとかこの2ヶ月、これ以上サターン様への思いが大きくならないように過ごしたいのだ。


「分かったわ、マリオネットがそう言うのなら、私はあなたに協力するわ。ただ…サターン様は、あなたの事が嫌いなわけではないと思うの。もう一度、きちんとサターン様と話してみてもいいのではなくって?今日のサターン様、なんだか雰囲気が変わった気がするのよね。


 相変わらず人を寄せ付けないオーラはあるけれど、何というか、あなたに対する態度だけ柔らかくなったというか…」


「もう、私を惑わせるような事を、言わないでよ。きっと気のせいよ。とにかく、せっかく前に進むと決めたのだから、私はもう過去を振り返りたくはないの。そうだわ、今日は令息たちとお茶でも…」


 令息たちとお茶…考えただけで、足がガタガタと震えだす。


「あなた、令息の事が怖いのでしょう?足がガタガタと震えているわよ。マリオネットが焦る気持ちもわかるけれど、今は無理に令息と関わろうとしない方がいいわ。無理に交流を持ったところで、あなたの令息苦手意識が、増してしまう気がするし」


 確かにレアの言う通り、今は令息に近づくのも無理だ。早く婚約者を見つけて、サターン様にもう私はあなたに付きまとったりはしませんと、証明したいのだけれど…


 今のままだと、しばらくは婚約者を作るどころか、令息に近づく事も難しそうだ。


 そう考えると、ついため息が出てしまう。


「マリオネット、そんな顔をしないで。時間が経てば、きっとあなたの気持ちも落ち着くわ。それに卒業してから婚約を結ぶ人も多いし、そんなに焦らなくても大丈夫よ。卒業まで、あと2ヶ月しかないのよ。


 残り少ない学生生活、目いっぱい楽しみましょうよ」


「そうね、焦ったところで、どうにもならないものね。こうやって皆と過ごせるのも、後2ヶ月しかないのだから、学院生活を楽しまなくちゃね。思い返してみたら私、ずっとサターン様ばかり追いかけていて、あまり皆と過ごす時間がなかったわ。


 これを機に、令嬢たちとも、もっと交流を深めるのもいいわね」


「そうよ、マリオネットはずっと、サターン様ばかりを追いかけていたのよ。1年しかない学院生活を、有意義に過ごさなくちゃ。そうと決まったら、早速今日の放課後、令嬢たちを集めてお茶会を開くと言うのはどう?」


「いいわね、令嬢たちと一緒に、お茶を飲んで交流を深めましょう」


 正直焦る気持ちもあるが、一応まだ学生の身。気持ちが落ち着くまでは、少しでも心穏やかに過ごせるようにしよう。


 そしてその日の放課後は、令嬢たちと楽しい時間を過ごした。


「マリオネット様は、いつもお忙しそうにしていらしたので、中々話しかけづらくて。今日はゆっくりお話しが出来て、よかったですわ」


「そうだったのですね。ごめんなさい、せっかく同じクラスになれたのに。これからは私達とも、ぜひ仲良くしてくださいね。とはいえ、後2ヶ月しかありませんが」


「確かに学院生活は2ヶ月しかありませんが、貴族でいる限り、ずっと交流は続けて行けますわよ」


「確かにそうですわね」


 そう言って令嬢たちと一緒に笑った。こうやって令嬢たちとゆっくりお話をするのも、悪くはない。どうして私は、今まで令嬢たちとの時間を大切にしてこなかったのだろう。


 とはいえ、今気が付いてよかった。婚約者をすぐに作る事は難しいが、しばらくは令嬢たちとの交流を深めよう。ここでの出会いを、大切にしないと。


「もう日が落ちてきましたね。そろそろ帰りましょうか」


「まあ、もうそんな時間なのね。まだ話したりないですわね。そうですわ、明日も放課後、お茶会をしませんか?」


「いいですね、そうしましょう」


 令嬢たちと楽しく話しをしながら、馬車へと向かう。


「あら?あそこにいらっしゃるのは、サターン様ではなくって?」


 1人の令嬢が、そう呟いたのだ。


 確かにこちらを真っすぐ見つめているサターン様が。


「いやですわ、こちらを睨んでおりますわ。早く馬車に乗りましょう」


「そうですわね、マリオネット様も、早く」


 令嬢たちに背中を押されて、馬車に乗り込んだ。


 再びサターン様の方に目をやると、真っすぐこちらを見つめていた。気のせいかしら?もしかして、私に用があったとか?


 て、何を都合の良い事を考えているのかしら。たまたまこちらを見ていただけ。そうよ、そうに決まっているわ。そう自分に言い聞かせたのだった。

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