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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第16話:少しずつ縮まる距離~サターン視点~

 貴族学院に入学してから、早半年。相変わらずマリオネットを傷つけないために、距離を保ち続けていた。


 とはいえ、彼女が学院で快適に過ごせるように、マリオネットにとって良くない貴族たちを、片っ端から消していった。ただ、学生という事で全員停学という甘い処分が下った事が、どうも納得が出来ない。


 今日もマリオネットに何かやらかす愚かな輩がいないか目を光らせながら、いつもの丘にやってきた。


 きっとそろそろ、マリオネットが来る頃だろう。そう思っていると、いつもの様にマリオネットがやって来たのだ。相変わらず心地よい光を発しながら。


 近くにマリオネットの気配を感じるだけで、俺の心臓は一気に早くなる。いい加減、この環境にもなれないと、いつまでたっても、マリオネットとの距離を縮める事が出来ない。


 とはいえ、随分と魔力も俺の体に溶け込んできた。後数ヶ月もすれば、完全に体が魔力を受け入れる事が出来る。そうなれば、やっとマリオネットと…だめだ、また感情が溢れ出そうになった。


 必死に感情を落ち着かせた。


 どうやらマリオネットは、友人と何やら言い合いをしている様だ。あの女はこの国の第二王女で、マリオネットの親友だったな。あの女も他の奴ら同様、俺に怯えている。お前の黒い靄が、マリオネットの心地いい光を遮っているのだよ!


 さっさと失せろ!そう思っていると、ドスッという鈍い音が聞こえた。ふと音の方を見ると、マリオネットが倒れていたのだ。一体何が起こったのだ?まさか、何か変な病気にでも!


 いてもたってもいられなくなくなり、急いでマリオネットの元に駆け寄ったのだが、どうやら転んだだけの様だ。ホッとしたのも束の間、美しい紫の瞳と目が合ってしまった。


 嬉しそうな顔のマリオネットを見た瞬間、再び感情が溢れ出し、魔力が暴走しそうになる。まずい、ここで魔力が暴走したら大変だ。だが、マリオネットの可愛らしい声を聞いたら、体が石のように固まり動く事が出来ない。彼女の傍にいたい、もっと声が聞きたい、笑顔が見たい!


 そんな俺の本能が、動きを止めてしまったのだ。どんどん高鳴る気持ちと、暴走しそうになる魔力。


 まずい、本当にこのままだと…


 そう思った瞬間、あの女がマリオネットを連れて行ったのだ。これで助かったのだが…あの女、俺のマリオネットを連れていくだなんて!あの女はいいな、あんな風にマリオネットに触れられて。俺だって、マリオネットに触れたいのに!


 今日はマリオネットが、俺に話しかけてきてくれた。それが嬉しくてたまらない。それなのに俺は、あんな態度しかとれないだなんて…


 屋敷に戻ると、すぐに魔術師を呼び出した。


「俺の魔力は、いつになったら体に馴染むのだ?未だに感情が高ぶると、暴走しそうになる」


「何度も申し上げております通り、後数ヶ月で体に魔力が馴染むかと…」


「数ヶ月とは、どれくらいだ?もっと早くなじませる方法はないのか?」


 再び感情が高まり、魔力が暴走しそうになる。


「落ち着いて下さい、お坊ちゃま。魔力が暴走しそうになっております。あなた様が出来る訓練は、全て終わっております。後は体に完全に馴染むのを待つだけです。そんなに焦らなくても、もう少しの辛抱ですから」


 もう少しの辛抱か…いつまで辛抱すれば、いいのだろう…


 それにしても今日のマリオネットは、とても可愛かった。豪快に転んでいたが、怪我はなかっただろうか…考えれば考えるほど、胸が高鳴る。だめだ、また魔力が暴走しそうになる。


 落ち着かないと!そう自分に言い聞かせ、その日は過ごした。


 翌日

 今日もマリオネットが来るのを、今か今かと待つ。すると、いつもの様にやって来たマリオネットだったが、なぜか木陰に隠れることなく真っすぐとこちらに向かって走って来たのだ。


 それも俺の名前を呼びながら!


 マリオネットが、俺の名前を呼んでいる。その声を聞いただけで、気持ちが高鳴り魔力が暴走しそうになる。ダメだ、一旦退散しよう。そう思い、その場を立ち去ろうとした時だった。


 昨日と同じ、ドスッという鈍い音が聞こえたのだ。びっくりして振り返ると、またマリオネットが転んでいた。


 可愛いな…こんな風にすぐに転ぶだなんて。だが、怪我はしていないだろうか?急いで彼女の元に駆け寄るが、中々起き上がってこない。もしかして、意識を失っているのでは?心配になって抱き起そうとした時だった。

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