表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/94

第15話:運命の再会~サターン視点~

 ついに貴族学院入学の日を迎えた。昨日の夜は、緊張と不安、期待から全く眠る事が出来なかった。こんな事は、初めてだ。


 それでも俺は、平然を装い、貴族学院の制服に袖を通し、出掛ける準備を進めた。


 外に出ると、父上が待っていたのだ。


「おはよう、サターン。その制服、よく似合っているよ。サターン、今日は5年ぶりにマリオネット嬢に会えるね。彼女、とても綺麗になっているよ」


「どうして彼女の名前が出てくるのですか?もう俺に構わないで下さい」


 そう伝え、馬車に乗り込む。


 “彼女、とても綺麗になっているよ…”


 父上の言葉が、胸に突き刺さる。父上の言う通り、きっととても綺麗になっているのだろうな…


 首からあるものをとりだした。あの日、マリオネットがくれたネックレスだ。あの日以降、ずっと肌身離さず持っていたネックレス。


 そんなネックレスを、ギュッと握りしめる。大丈夫だ、俺は別に、マリオネットに期待などしていない。ただ、彼女がこの学院で楽しく過ごしてくれたら。その為にも、俺は彼女に近づくつもりはない。


 それが今の俺に出来る事だから。


 そう自分に言い聞かせ、貴族学院へと向かう。学院に着くと、そのまま馬車から降り、真っすぐとホールへと向かう。


 俺の姿を見た貴族たちから、一斉に黒い靄が沸き上がる。一瞬にして嫌悪感に包まれるが、これにも慣れていかないといけないのだろう。


 そう思いつつ、ホールへと向かう。真っすぐ前を向いて歩いているのだが、瞳だけはキョロキョロと動いてしまう。無意識に、マリオネットを探してしまうのだ。俺の姿を見て、皆と同じように黒い靄を出されたら…そう思うと、恐怖でたまらないのだ。だが、それ以上に、彼女の姿を見たい、そんな思いが沸き上がる。


 その時だった。


 居心地の悪い黒い靄が一瞬で晴れ、温かく心地よい空気に替わったのだ。この感じは、まさか…


 ゆっくりと温かな光の方を見ると、そこにはマリオネットの姿が。何やら近くにいる女ともめている様だ。


 それでも彼女からは、5年前と同じくオレンジ色の光が放たれている。その光を見た瞬間、嬉しくて感情が溢れそうになる。ダメだ、今感情を露わにしたら、魔力が暴走してマリオネットを傷つけてしまう。


 そんな思いで、急いでその場を離れた。


 俺が感じ取ることが出来るのは、俺に対する感情だけだ。マリオネットがあのような光を出していたという事は、間違いなくマリオネットは、俺に対して負の感情を抱いていないという事。


 5年経った今でも、マリオネットは俺によい感情を抱いてくれていただなんて。嬉しくて、一気に感情が溢れ出そうになるのを、必死に堪えた。とにかく落ち着かないと!


 魔術師から貰った感情をコントロールする薬を口に含み、なんとか入学式を終える事が出来た。


 有ろう事か、可愛いマリオネットと同じクラスだ。嬉しくてたまらないが、彼女の事を考えると感情が暴走してしまうため、極力考えない様にした。


 とはいえ、明らかにマリオネットが俺の方を見て、にっこり微笑んでいるのを背中で感じる。ある程度距離があっても、あの心地よい光を感じる。それが嬉しくてたまらず、また感情が溢れ出そうになるのを必死に抑えた。


 ダメだ、彼女の元にいたら感情のコントロールが出来ずに、魔力が暴走してしまう。もし魔力が暴走してしまったら、この学院ごと吹っ飛ばしてしまうだろう。そうなったら、マリオネットを傷つけてしまう事になる。


 マリオネットだけは、絶対に傷つけさせない!


 マリオネットが俺の事を、今でも嫌わずにいてくれているだけで、俺の心は満たされる。彼女が俺にこの幸せを与えてくれたのだ、俺もマリオネットの為に、ある程度は堪えないと。


 そう思い、極力教室にいない様にして過ごす。そんな中見つけ出したのが、中庭の奥にある大きな木がある丘の上だ。父上も貴族学院の大半を、ここで過ごしていたと執事が教えてくれた。


 この場所なら誰もいないし、いいだろう。


 そう思い、過ごし出したのだが、なんとマリオネットが、俺を追ってこの場所に来るようになったのだ。本人は隠れているつもりだろうが、俺には彼女の放つオレンジ色の光で、存在が丸わかりなのだ。


 マリオネットが俺に会いに、人知れず来てくれている。その事実が嬉しくて、また魔力が暴走しそうになるのを必死に抑える日々が続いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ