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最強ツンデレ闇令息に近づいたら溺愛されました  作者: Karamimi


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第10話:もしかしてあの人は…~レア視点~

 ピクニックも無事に終わり、王宮に戻ってきた。


 そして、自室へとやって来た。


 ソファーに座り込み、今日の出来事を思い出す。あの人は、私がクマに襲われようが、本当はどうでもよかった。でも、“あついが悲しむ”から、私を助けたと言っていた。


 “あいつ”とは、一体…


 ふと脳裏に浮かんだのは、マリオネットだ。彼女は私の親友で、婚約者の妹。私の事を、とても大切に思ってくれている子。私にもしもの事があったら、ものすごく悲しんでくれるだろう。


 でも、サターン様は私が見た限り、マリオネットに興味がある様には見えないが…


 他に“あいつ”に該当する人間が、思い浮かばないのだ。まさか両親や兄弟姉妹たちではないだろうし、婚約者のマンドル様も考えられない。


 やはりマリオネットの事?


 よく考えてみれば、人間嫌いのサターン様が唯一傍にいても何もしない相手は、マリオネットだ。


 待って!今までサターン様が停学にしていった生徒たちは、皆マリオネットが苦手意識を持っていた人たちばかりだ。


 これは偶然なの?


 確かにマリオネットは、可愛いし愛想もいいし、女性の私から見ても非常に魅力的な令嬢だ。マリオネットを狙っている殿方も多い。


 でも、あのサターン様が、マリオネットを?


 もしサターン様がマリオネットに好意を抱いているのなら、どうして気持ちを伝えないのかしら?マリオネットはサターン様に夢中だ。彼だって、その事には気が付いているはず。


 マリオネットは侯爵令嬢で、公爵令息のサターン様の結婚相手として爵位も申し分ない。


 公爵様が反対をしている?それとも、何か事情がある?


 考えれば考えるほど、訳が分からない。


 一度サターン様を、観察してみる必要がありそうだ。


 そう思った私は、翌日からサターン様の行動を監視する。


 こんな姿をマリオネットに見られたら、きっと怒られるだろう。それにもしサターン様にバレたら、何をされるか分からない。そう考えると、怖くてたまらない。


 それでも私は、大切な親友の為に、サターン様の気持ちを調べないといけないのだ。


 ただ…


「貴様、俺を尾行しようだなんて、いい度胸だな!やっぱりクマの餌になりたかったのか?」


 あっさり見つかり、鬼のような形相で睨まれてしまったのだ。恐怖から、猛スピードで逃げ出した。まずいわ、あの男に見つかってしまった。


 私の命も、これまでかしら?


 そう思っていたのだが、特にサターン様が私に何かをしてくることはなかった。とはいえ、もう恐ろしすぎて、彼の事を調べる事など出来ない。


 そう思っていた時だった。


 マリオネットが侯爵令息に言い寄られていたのだ。マリオネットにはまだ婚約者がいないうえ、性格もよくて可愛くて優しい非常に魅力的な令嬢だ。そのせいか、令息たちから非常にモテる。


 ただ、なぜか言い寄って来る令息たちは、あまりいい噂のない人たちばかりなのだ。あの男も、他の令嬢にちょっかいを出しているという、噂の男。


 本当にあの子はどうして、あんな変なのにばかり言い寄られるのかしら…さっさと追い返さないと!そう思い、マリオネットに近づこうとした時だった。


 ふと木陰から、ものすごい形相でマリオネットたちを睨みつけている男の存在に気が付いたのだ。


 あれは、見間違い?


 目をこすり、再び男の方に目をやる。


 いいえ、見間違いではないわ。でも、そんな事はあり得るの?


 私の目には、怒りからか真っ黒な髪は逆立ち、黒い瞳は赤く染まり、手からは炎のようなものを出しているサターン様の姿が。


 その姿はまるで、魔王の様だ。


 何なの…あの恐ろしい姿は…恐怖で腰を抜かしてしまった。


 その時だった、マリオネットに言い寄っていた男が、サターン様の姿に気が付いたのだ。その瞬間、恐怖から腰を抜かし、逃げていく。なんて間抜けな姿なのかしら?でも、気持ちは分かるわ。遠くで見ているだけで、恐怖で腰を抜かしている私がここにいるのだから…


 ただ、当のマリオネットは、全くサターン様の姿に気が付いていないようだ。何が起こったのか分からず、キョトンとし首をしげている。


 そんなマリオネットの姿を、じっと見つめているサターン様。さっきよりは幾分マシな顔になっているが、私にはまだ怒っている様に見える。


 そんなサターン様に気が付くことなく、その場を去っていくマリオネットを、じっと見つめるサターン様。


 あの男、やっぱりマリオネットに気があるのでは?


 そんな私の疑惑は、翌日確信に変わる。


 そう、前日マリオネットに迫っていた令息は、サターン様の告発によって停学処分に処されたのだ。


 そこまでマリオネットを思っているのなら、どうしてすぐに気持ちを伝えないのか分からない。それでもきっと、サターン様はマリオネットに好意を抱いているのは確かだろう。


 とはいえ…これ以上私が首を突っ込むのは避けた方がいい気がする…とにかくしばらくは、2人の行く末を見守ろう。


 そう決めたのだった。

※次回、サターン視点です。

よろしくお願いします。

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