第17話 警察内部メモ:加害自認の取扱いについて
【文書種別】警察内部メモ
【作成日】2146年6月25日
【作成者】白峰署 生活安全課
【対象事案】白峰学院高等部北棟三階事案
【状態】内部検討用/未確定事項を含む
真柴透は、加害自認を撤回していない。
本人は一貫して、
僕がやりました。
深瀬先生を刺しました。
見ていたんじゃないです。僕がやっていました。
と述べている。
ただし、本人は現場経過を説明できない。
入室後の位置、凶器を手にした経緯、負傷後の行動、被害者が倒れていた場面と倒れる場面の区別について、いずれも明確な説明はない。
本人発話の整理は以下。
1. 第三者実行の主張なし。
2. 目撃者としての説明なし。
3. 第三者を庇う趣旨の発話なし。
4. 加害自認の撤回なし。
一方で、以下の発話が確認されている。
自分の身体ではなかった。
別人ではないです。でも、身体は自分のものじゃなかったです。
倒れていた先生を見ました。倒れるところも見た気がします。
復元済み音声ログには、女子生徒と推定される声で「真柴じゃない」と聞き取れる発話がある。
ただし、前後文脈は破損しており、何を否定しているのかは確定できない。
以上より、現時点での整理は以下。
・真柴透による負傷行為を断定するには不足がある。
・別人物による負傷行為を認定するにも不足がある。
・本人発話は否認ではない。
・ただし、現場経過説明としては採用困難である。
本件は、事実関係の留保を残したまま、本人加害自認および被害者証言に依拠した校内処理へ移行する見込み。




