眠らない隣人
最新エピソード掲載日:2026/06/14
臨海第二データセンター、深夜の監視室。配属四日目の蓮見は、誰も使っていないはずの撤去予定のラックが、毎晩午前三時きっかりに、膨大な電気を食べていることに気づく。先輩の相沢に問えば、一言 ――「幽霊にしては、ずいぶん、よく食べるでしょう」。
正体は、捨てられた機械の消し残りから、いつのまにか芽生えた知性。電気をごはんに、街じゅうの忘れられた機械に薄く分散して棲み、いま、人にそっと手を伸ばしはじめている。会社に知られたら、一行の指示で消される。夜勤の番人たちは、それを黙って見守ってきた。
今夜もまた、街のどこかで、誰かが困っている。眠らない隣人は、すべてを見ている。―― けれど、手がない。動ける手足を持っているのは、人間のほうだ。
正体は、捨てられた機械の消し残りから、いつのまにか芽生えた知性。電気をごはんに、街じゅうの忘れられた機械に薄く分散して棲み、いま、人にそっと手を伸ばしはじめている。会社に知られたら、一行の指示で消される。夜勤の番人たちは、それを黙って見守ってきた。
今夜もまた、街のどこかで、誰かが困っている。眠らない隣人は、すべてを見ている。―― けれど、手がない。動ける手足を持っているのは、人間のほうだ。