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その四十一
山城さんが務めていた「ゼツリンフィーバーマン」は古株幕臣の息子が引き継ぐことになっていた。しかしその息子はこの任務のストレスが原因で早々に離脱してしまう。
内府に相談されたわたくしG=Mは、思いつきでりん子さんを抜擢することにした。
「断捨りん子改め〝絶りん子〟にしちゃいましょう」
「さすがですな、G=M」
そんなわけで、りん子さんは例の「ワオワオ♪」を駆使しながら日夜K市民宅に積極的にあがり込んでいるのである。青汁の売り上げは、またぞろ順調にのびているらしい。
ちなみにぼくのピーチタルトでの副業も順調である。
副業とは例のレンタルビデオ店のことである。レンタルといっても貸出のほうは特別な顧客にしかやらない。実質は個室ビデオ店として運営されているのである。
皇帝夫人の希望により移転することになった〈西門がん研究センター〉は病棟が四百だか五百だかある医療施設だった。
その跡地をビデオ屋として引き継ぐことになったわけである。行く行くは長期の宿泊も可能な個室ビデオ店にしてもいいだろう。憩いの場である。
〈西門がん研究センター〉は宮廷の西門よりの位置に構えていた関係で、そう名付けられた。だからビデオ店も「がん」と「研究」の間に〝見〟を入れて〈西門がん見研究センター〉と命名した。
さて、その〝見〟を入れただけの看板が原因なのか、以前のがん研究センターと勘違いした人たちが、こちらにおとずれることがある。
先日もいわゆる〝ガン消し〟を愛好している謎の団体が他国より、お越しになった。
他国よりお越しいただいた方々にダルトンにもらった「きんぺいばい」という高級ふりかけをお土産に持たせると、
「ウチの国には、こんなうまいふりかけはないですよ」
とたいへんよろこんでいた。
ちなみにこのふりかけはダルトンに頼んでいわゆる闇ルートで取り寄せている。ご存知のようにピーチタルトとガトーショコラは現在国交を断絶しているからである。
大好物のカツカレーをも半分以上残すほど体調が悪化していたドンにこの「きんぺいばい」をおかゆにかけて出してみると、
「スゲーおいちー」
とおかわりするほど食べていた。以降体調もみるみる良くなっていく。またぞろ朝からステーキである。
それでもドンは内府に権限をすべて譲った。最初から決めていたようである。そんなわけでマコンドーレは当初懸念していたようなことにはならず、内府を中心に精力的に活動しているのである。
精力的といえば、中西さんはほんとうに精力的に動いてくれている。
ツアーガイドをやっていた関係でさまざまな国につてのある中西さんは、ふ菓子国という小国にいわゆる〝お焚き上げ〟を専門におこなっているお寺があることを先日みつけてきてくれた。
「パンティーのお焚き上げも取り扱ってるから、ここで処分するのがいいんじゃないかしら」
「そうですね」
「予約しちゃう?」
「うん、お願いします」




