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栗田さんの憂鬱な美少女生活  作者: 黒田如風


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122/129

あなたのためと言いつつも②

「ここ、表現が被っているから、他の言葉に差し替えたら?」


 宇垣さんの部屋。

 彼女が執筆中の小説を添削。


「あと登場人物が多い時は、一人称を別々にした方が良い。誰が話しているのか、判りやすいから」

「こう……ですか?」

「うん、そんな感じ」


 飲み込みが早いので教えがいがある。

 一年前に比べると、格段に向上している。

 その結果、コンテストで後塵を拝するのは、如何なものかと思わなくもないが。


「宇垣さん、そろそろ寝ない? もう遅いし」


 睡眠不足はお肌の天敵。

 中学生なら、あまり気にしなくても………いや、ニキビが出来るか。


「私の布団は?」

「そこにありますよ」


 指差されたのは、彼女のベッドだった。


「マジで?」

「木村さんは良くて、わたしと一緒に寝るのは嫌とか言いませんよね?」


 よもやと危惧していたが、その予感は的中した模様。

 対抗心なのか、嫉妬なのか、その両方か。


「あのさぁ。私、寝相悪いし、イビキもかくから、布団は別にした方が良いよ?」

「次からは、そうします」


 決意は固いらしい。

 今宵は女子中学生と添い寝ですか。

 自分も女性の肉体。朝まで彼女の両親と同じ屋根の下。

 特殊なイベントは、何も発生しないと思われるが。


「宇垣さんにとって、私は一体何なの?」


 常々考えていた事が、思わず口からこぼれ出た。


「わたしは栗田さんの親友です」

「じゃぁ、木村さんとも、一緒の布団で寝たいわけ?」

「彼女は、ただの同級生ですから」


 絶対、親友の定義がおかしい。


「逆に聞きますけど。栗田さんにとって、わたしはどういう存在ですか?」

「それは………」


 友達以上。

 だが、恋人というほど愛しているわけでもなく。

 暫し悩んだ後、唇を開いた。


「親友だと思う」


 どうやら自分の親友定義も、ねじ曲がっているようだった。


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