気が付いたら映画のママ枠やってました
暑い。重い。動けない。
金縛りかと思って目を覚ましたら、目の前にブラッドの顔面があった。寝息がかかりそうな距離で、私はしばらくその顔を眺める。
(……顔はいいんだよね、こいつ)
金髪に高い鼻、整った顔立ち。黙っていれば普通にイケメンだ。
(でもケツ顎はちょっとなあ……)
そのまま視線を下げると、シュラフからはみ出した肩に太い腕、分厚い胸板が目に入った。
(マッチョも細マッチョならいいけど、ここまでゴツいのはちょっと……)
そして、その太い腕は私の腰にがっしり回っている。
(…………)
(何を朝っぱらから彼氏の品評してんだ私は!?)
ようやく我に返った。暑い。こんなゴツい男に抱き枕みたいに抱え込まれていたら、そりゃ暑いに決まってる。
とりあえず引き剥がそうとして、ふと手が止まった。
(……待って。これ、死亡フラグじゃない?)
スラッシャー映画で、若者がイチャついた末にどうなるかなんて決まっている。特にジャクソンは、その辺の風紀にやたら厳しい。
でも、私はヤってない。昨日だって未遂のまま寝落ちた。
(じゃあセーフ? いや、そもそも殺人鬼の判定基準って何? どこからがアウトなの? ラブホの部屋の数だけ死人が出るシステムなの?)
……なんで私は朝っぱらからサイコキラーの性倫理について真剣に悩んでいるんだ。
(考えすぎてもしょうがない。顔でも洗って落ち着こう)
そう思って腰に回った腕を外そうとすると、反対側の腕までおっぱいに引っかかった。
「……離れて」
「んー……」
腕を押しのけようとすると、ブラッドが寝返りを打って、むしろ締めつけが強くなった。
「ちょ、重いってば!」
さすがにそれで目が覚めたのか、ブラッドがうっすらと目を開ける。
「ジェシカ……?」
「起きたなら退いて」
「なんでさ」
「暑いし重いの!」
「……?」
寝ぼけ眼のブラッドの腕をようやく外し、そのままテントを這い出した。
グラス湖は昨日の騒ぎが嘘みたいに穏やかだった。朝日を反射した水面がきらきら輝いていて、いかにも「ここで犠牲者が出ます」というロケーションである。
私は景色より先にキャンプサイトを見回した。
エミリー、マイク、サラ、トム――。
ケビンがいない。
「ケビン、どこ!?」
やばい、油断した! 第一犠牲者はケビンだっけ!?
「ケビーン!?」
「呼んだ?」
「あひゃいっ!?」
真後ろから声がして飛び上がった。振り向くと、歯ブラシを咥えたケビンが立っている。
「びっくりさせないでよ!」
「普通に返事しただけだろ……」
ケビンが怪訝そうに歯ブラシを動かす。その向こうでは、エミリーたちまでこっちを見ていた。
最後にブラッドがあくびを噛み殺しながらテントから這い出してくる。
「ジェシカ、朝から元気すぎ……ふあぁ」
(あれ? 誰も死んでない?)
もちろん喜ぶべきことだ。でも、ここが本当に『グラス湖畔は血まみれ曜日』の世界なら、とっくに最初の犠牲者が転がっているはず。それどころか、ジャクソンの「ジャ」の字も見当たらない。
(まさか、よく似た別世界……?)
いやいや。登場人物も舞台も全部合っている。それに平和な日常で観客を油断させておいて、次の瞬間「ドン!」もスラッシャー映画の王道だ。
(気を抜いちゃダメ。私のスラッシャー映画鑑賞数は伊達じゃないんだから……!)
私は腰に手を当て、森の木立をキッと睨みつけた。
(そこらに隠れてるのは分かってるんだからね!)
がるるるる。
「……ジェシカ、何やってんの?」
振り向くと、エミリーがこちらを見ていた。
「警戒してるの」
「何を?」
「ジャクソン」
「ああ……」
エミリーは何とも言えない顔をすると、そのまま朝食の準備へ戻っていった。
なに、その生温い目は。
◇
今日の朝食は、定番のベーコンエッグとパン。「任せろ!」と請け負った男連中がフライパンの前でギャーギャー言いながらベーコンを焦がしている横で、エミリーが手際よくコーヒーを淹れていた。
「エミリー、僕にもコーヒー、貰える?」
「はい」
エミリーがマグカップを差し出す。受け取ろうとしたマイクの指が、その手に触れた。二人の動きが同時に止まる。
「……ありがと」
「うん」
マイクが妙に慎重にマグカップを引き寄せ、エミリーは何でもなかったようにコーヒーポットへ視線を戻した。耳だけちょっと赤い。
私は二人をじっと見比べた。
(なに、あんたらそういう感じ!?)
映画で見たときは何も思わなかったけど、そういえばこの二人、ナードと優等生で妙に一緒にいることが多かった。
「マイク、ベーコン」
「え?」
「焦げてる」
「あっ!」
慌ててフライパンへ向き直ったマイクから、エミリーが呆れたようにフライ返しを取り上げる。
「もう、貸して」
「悪い」
(はいはい、末永く爆発して。ケッ)
マイクは素直に場所を譲り、エミリーの隣で皿を並べ始めた。
(カップル未満。死亡フラグ、中)
続いてサラを見る。
「それ、もらい」
「あっ」
トムがサラの皿からベーコンを一枚つまんで、そのまま口へ放り込んだ。
「ちょっと、それ最後の一枚!」
「うまいな」
「返して!」
「もう無理だって」
サラが立ち上がると、トムは笑いながら逃げ出した。サラもその後を追いかけていく。
(カップル成立済み。死亡フラグ、大)
さらに視線を動かすと、ケビンが無言でパンをちぎっていた。目だけが、マイクとエミリーの方を向いている。
(……三角関係。死亡フラグ、特大)
「ジェシカ、ベーコン食う?」
「食べる」
「ほら」
横からブラッドが焼けたベーコンを私の皿に放り込んできた。
「ありがと」
一枚つまんで口へ運びながら隣を見ると、ブラッドは当然のように私のすぐ横に座っている。
(…………ビッチ枠にくっつくジョック。死亡フラグ、無限大)
私は改めて朝食の席を見回した。
(……死亡フラグが乱立してるんだけど)
内心頭を抱えている私をよそに、ケビンが切り出した。
「で、今日はどうする?」
「せっかく来たんだから泳ごうぜ」
「いいね!」
ブラッドの案に真っ先にサラが乗ってくる。トムも「賛成」と頷き、あっさり今日の予定が決まった。
「ちょっと待って。行くなら全員で。絶対に一人で勝手にどっか行かないで」
「またそれ?」
「みんなもだからね!」
「はいはい」
返事が軽すぎる。命をなんだと思っているんだ。
「本当に分かってる?」
「分かってますって。一人になったら殺人鬼が出るんだろ?」
ケビンがケラケラ笑う。
「そうよ!」
「はいはい、ジェシカママ。出たらすぐ呼びます」
「呼ばなくていいから全力で逃げなさい!」
「はいはい」
「はいは一回!」
「ジェシカは教育ママの才能あるわね」
「誰がよ!」
吹き出したサラを皮切りに、みんなが笑い出す。ブラッドまで肩を震わせているので、脇腹を小突いてやった。
(……なんか私、すごい空回りしてない?)
◇
午前中はみんなで湖へ繰り出した。
そして私は、自分の水着を見下ろして絶望していた。
(なんでこんな布切れしかないの)
上も小さい。下も小さい。水着というより、申し訳程度に大事なところへ布を貼りつけただけ。眼帯の方がまだ布面積が広い。
(これ選んだの、過去の私よね?)
頭を抱えたくなる。エミリーなんて普通のワンピースだ。サラだってビキニではあるけど、ちゃんとおっぱいが隠れるくらいの面積はある。
なんで私だけこんな端切れなの!?
「ジェシカ、泳がないの?」
すでに腰まで水に入ったエミリーが振り返った。
「泳ぐわよ!」
私は半ばヤケクソで湖へ踏み込んだ。
(これだからビッチ枠は! こんなの着てるから風紀委員に目をつけられるのよ!)
木立を見る。人数を確認。湖面を見る。異常なし。
「ジェシカ!」
「なに?」
振り向いた瞬間、バシャッと顔面に冷たい水が直撃した。
「ひぎゃぁ!?」
「ははは、隙あり!」
「ブラッドォ!!」
水飛沫を上げて逃げるブラッドを追いかける。手を伸ばせば届きそうなところでスッと逃げられ、腹が立ってさらに追う。
「待て!」
「やだね!」
ようやく肩を掴み、そのまま体重をかける。二人まとめて派手に水へ沈み、顔を出したところでブラッドが笑った。
「お前、マジで容赦ねえな!」
「自業自得!」
私も笑いながら髪をかき上げ――ふと我に返った。
(……って、遊んでる場合じゃない!)
慌てて周囲を見回す。
「どうした?」
「なんでもない!」
エミリーとマイクは水辺で何か話し込んでいる。
少し離れたところでは、サラが悲鳴を上げながらトムにしがみついていた。
「ちょっと、ここ足つかない!」
「大丈夫だって。俺がつかまえてるから」
「離したらマジで殺すからね!」
「はいはい」
(離すなよ。絶対離すなよ? フリじゃないからね?)
別の意味で冷や汗を流しながら見ていると、ケビンがざばざばと岸へ向かい始めた。
「ちょっとビール取ってくるわ」
「一人で行かない!」
「すぐそこのクーラーボックスだぞ!?」
ケビンが指差した先は、岸辺から普通に見えるキャンプサイトだった。
「すぐそこでもダメ! ブラッド、一緒に行って!」
「なんで俺がパシリ……」
ブラッドの腕を掴んで岸へ押しやる。
「いいから行きなさい!」
「分かった分かった!」
二人がキャンプサイトへ向かう。私は腰まで水に浸かったまま、その背中をじっと見送った。
「ジェシカ!」
「なに――ひゃっ!?」
後ろからサラに抱きつかれ、反対側からトムまで私の腕を掴んできた。
「ちょ、二人がかりはズルい!」
「せーの!」
「待って待って待って!」
三人まとめて派手に水へ倒れ込む。
「ぶはっ!」
水面から顔を出すと、隣ではサラが腹を抱えて笑っていた。
「もう! あんたたち――」
◇
「どれにすっかな……」
ケビンがクーラーボックスの前にしゃがみ込み、中を漁り始める。
その背後。
キャンプサイトのすぐ脇に広がる森の中に、大柄な人影が立っていた。
白いマスク。
右手には、錆びの浮いた斧。
木々の間を縫うように、ゆっくりと近づいてくる。
「俺のも頼む」
湖の方からブラッドがやってきた。
「自分で取れよ」
白いマスクの足が止まった。
ケビンの隣にブラッドがしゃがみ込む。
人影は再び動き出した。
「……なあ」
「ん?」
ケビンがビールを一本取り出し、ブラッドへ放る。
「ジェシカ、なんか変じゃね?」
ブラッドはそれを受け取った。
「そうそう、昨日からちょっと変なんだよ。急にジャクソンがどうとか、一人になるなとか言い出して」
「お前、よく付き合えるな」
「普段はあんなんじゃねえよ」
木々の間から、白いマスクがさらに近づいてくる。
「昨夜は?」
「昨夜?」
「何回やったんだ?」
ブラッドがプルタブにかけた指を止めた。
「…………」
「何だよ」
「何もしてねえよ」
「マジで?」
「マジで」
「お前が?」
「うるせえ」
ケビンが吹き出す。
「ちょっと! いつまでかかってるの!」
二人が振り返った。
同時に、白いマスクの足も止まる。
ジェシカが湖の方からずかずか歩いてくる。それに合わせて、細い水着からはみ出しそうなおっぱいが揺れている。
二人の視線が、揃ってジェシカの胸へ向いた。
「……まあ、あれ見たら別れられねえか」
「だろ?」
「何よ?」
二人がさっと目を逸らした。
「なんでもない」
「戻るわよ!」
「はいはい」
ケビンとブラッドが飲み物を抱えて立ち上がる。三人が騒ぎながら湖へ戻っていった。
木々の間に立つ白いマスクは、その背中を見送ると、静かに森の奥へ姿を消した。
◇
泳ぎ終わった私たちは、水着の上にパーカーやシャツを羽織って適当に昼食を済ませ、そのままビーチチェアやシートに寝転がってだらだらと過ごす。
もちろん、私は警戒を怠らなかった。誰かが立ち上がれば行き先を聞き、一人で行こうとすれば止める。みんなの視線がだんだん冷たくなってきた気もするけど、命には代えられない。
「トイレ」
サラが立ち上がった。
「一人で行かないで」
「……ジェシカ。トイレくらい一人で行かせて」
「ダメ」
「なんでよ!」
「危ないから!」
「何が!?」
「ジャクソンが!」
「ああ、もう! ジャクソン、ジャクソン、そればっかり! やってらんない!」
「わ、私はみんなのこと心配して――」
「うるさい。もういい。行こ、トム」
「お、おう」
サラはトムの腕を掴んで歩き出した。
「ちょっと待って! どこ行くの!?」
「どこでもいいでしょ!」
「サラ! 全員一緒って言ったでしょ!」
サラが振り返り、中指を立てる。
「教育ママはいらないの!」
「誰が教育ママよ! ちょっと、ダメだってば! 危ないんだから!」
サラは振り返りもせず、トムを引っ張っていった。
「ジェシカ」
後ろからエミリーに呼ばれる。
「なに!?」
「私も今のジェシカ、ちょっとどうかと思うな」
エミリーも立ち上がった。
「私もちょっと歩いてくる」
「エミリーまで!?」
「僕も行くよ。ちょっと歩きたかったし」
マイクも立ち上がる。
「……じゃあ、行こっか」
「うん」
「ちょっと、ダメだってば! 危ないんだから!」
エミリーは手をひらひらと振り、そのままマイクと歩いていく。
「エミリー!」
二人も木立の向こうへ消えていった。
「もう! なんで誰も聞いてくれないのよ!」
振り返ると、ブラッドはビーチチェアに寝そべったままだった。
「ブラッド! あんたも何とか言ってよ!」
「別にいいだろ。一人じゃないんだし」
「よくない!」
「お前が一人になるなって言ったんじゃん」
「そういう意味じゃないの!」
「そもそも、ジャクソンが出るからここにしようって言ったのお前じゃん」
「それはそうだけど、そうじゃなくて!」
「何が違うんだよ」
「うぐっ……」
(ああもう、過去の私のバカァァァァァ!!)
「みんな遊びに来てんだから、好きにさせとけって。お前だってキャンプなら自由な方がいいだろ。昨日も途中で終わっちまったし、な? 続き、やろうぜ?」
「それとこれとは話が別!」
言い返しながら周囲を見回して――気づいた。
「……あれ? ケビンは?」
「知らんぞ?」
どこにもいない。
「ああもう! みんな勝手に動いて! こんなに心配してるのに!」
探しに行こうとしたところで、ブラッドに腕を掴まれた。
「ちょっと、離して!」
ぐいっと引っ張られ、そのままブラッドの上へ倒れ込む。
「わっ!? ちょっと!」
「いいじゃん。みんないなくなったんだし」
「それがダメなんだってば!」
背中に腕を回され、逃げられない。
そのままブラッドの手が、布切れみたいな水着の紐にかかった。
「ちょっと!」
するりと紐がほどける。
「……お前、またデカくなった?」
「どこ触ってんのよ! 離せバカー!!」
◇
森の小道を、サラとトムが並んで歩いていた。
「ほんっと、何なのよ」
「まだ怒ってんの?」
「怒るでしょ。トイレまで一人で行くなって、子供じゃないんだから」
「まあ、ちょっとうるせえな」
「いつもはあんなじゃないのに」
「ちゃんと見てるんじゃん」
「うるさい」
サラが腕を小突くと、トムは笑いながらその肩を抱き寄せた。
「ちょっと」
「いいじゃん。誰も見てないし」
顔を寄せてきたトムを見上げ、サラは小さく笑った。
「……バカ」
そのまま唇を重ねる。
少し離れた木々の間から、白いマスクが二人を見ていた。
右手には斧。
ゆっくりと距離を詰めていく。
そのとき、別の小道から声が聞こえた。
「ついてこなくてもよかったのに」
「いや、僕が来たかっただけだから」
白いマスクの足が止まる。
木々の向こうを、エミリーとマイクが歩いていた。
「……エミリー」
「なに?」
「あのさ、僕、前から――」
「前から?」
「いや、その……」
エミリーはしばらく待っていたが、やがて小さく笑う。
「もう」
一歩近づいてマイクの頬に手を添え、そのまま唇を重ねた。
唇が離れても、マイクは固まったままだった。
「これで分かった?」
「……はい」
「なんで敬語なの」
エミリーが吹き出す。
木々の間で、白いマスクが二人を見つめていた。
ゆっくりと振り返る。
サラとトムは、まだ身体を寄せ合っている。
もう一度、エミリーとマイクを見る。
再びサラとトムへ顔を向ける。
そのとき、別の人影が目に入った。
白いマスクがそちらを見る。
ケビンだった。
木々に身を隠しながら、少し先を歩くエミリーとマイクを追っている。
白いマスクがケビンを見る。
その先のエミリーとマイクを見る。
振り返って、サラとトムを見る。
再びケビンを見る。
そのとき、湖の方からかすかに声が聞こえた。
白いマスクが振り向く。
サラとトムを見る。
エミリーとマイクを見る。
ケビンを見る。
もう一度、湖の方へ顔を向ける。
「……あれ?」
エミリーの声に、サラとトムが振り向いた。
「サラ?」
「エミリーじゃん。あんたたちも来たの?」
後から来たエミリーとマイクが、同じ小道へ出てきた。
「わざわざ別れた意味ないじゃん」
サラが吹き出す。
「ほんとだね」
「もういいや。ジェシカママのところ戻ろ」
「戻ろうか。ジェシカたち、二人きりになっちゃったし」
「あ、そりゃまずいわ」
トムがにやりと笑った。
「そろそろおっぱじめてるんじゃね?」
「ちょっと!」
エミリーが顔を赤くする。隣ではマイクまで気まずそうに目を逸らした。
「邪魔してやろうぜ」
「いいね。健全なママにしてあげよう」
サラも悪い笑みを浮かべた。
四人が湖へ戻ろうとしたところで、ケビンが小道へ出てきた。
「や、やあ、エミリー」
「ケビン? 何してるの?」
「いや、ちょっと散歩」
「私たち戻るけど、ケビンはどうする?」
「ああ。じゃあ俺も」
「よし、急ぐよ!」
サラが駆け出し、トムも追いかける。
「おい、待てって!」
エミリーとマイクも続き、ケビンも慌てて後を追った。
木々の中では、白いマスクが湖の方へ顔を向けていた。
斧を握り直す。
そのとき、小道をサラとトムが駆け抜けていった。
続いてエミリーとマイク。
最後にケビン。
白いマスクの足が止まった。
五人はそのまま湖へ向かっていった。




