91.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
OTK商会。
それは、マデューカス帝国でも屈指の規模を誇る超巨大商会だ。
油の大量取引にはうってつけの大物商人との出会いに、わたしは内心でガッツポーズをした。
「それにしても、素晴らしい乗り物ですね」
凛とした態度で挨拶を終えたセフィアさんだったが、わたしたちが乗ってきた魔導車が目に入った瞬間、様子がおかしくなった。
彼女はドレスの裾が汚れるのも構わず、車体にベタッとへばりつき、観察し始めた。
「おほー! しゅごーい! これどういう仕組み〜? ありえない! 人間の業じゃなーい! しゅごーい!」
「えっと、セフィアさん?」
さっきまでの優雅な大商人の面影はどこへやら、彼女は興奮のあまり鼻息を荒くして魔導車にすり寄っている。
あまりの豹変ぶりにわたしが声をかけると、彼女はハッと我に返った。
「んんっ、すみません。ちょっと興奮してしまいました。魔道具フェチでして私……」
「は、はあ」
誤魔化すように咳払いをして姿勢を正すセフィアさんに、わたしは若干引き気味に返事をした。
彼女は改めて深く頭を下げると、真剣な眼差しでわたしを見つめてきた。
「改めて、危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました。ぜひ、お礼をさせてください。とりあえず、帝都にある本店へ行きましょう。そこでちゃんとお礼がしたいのです」
「本当? それは願ったり叶ったりだよ。実は商会と取引したいものがあってね」
大商人の本店に行けるなど、油の大量買い出しを目指すわたしにとっては、まさに渡りに船の提案だった。
早速出発しようと、セフィアの馬車の方へと向かう。
「ああっ、ダメです! 先ほどの襲撃で車軸がやられてしまっているみたいで、これじゃあ動きません」
馬車を調べていた御者が、青ざめた顔で報告してきた。
見れば、確かに車輪の根本がひしゃげていて、今にも外れそうな状態になっている。
「困りましたね。これでは帝都に戻れません」
セフィアさんが眉を寄せるのを見て、わたしは馬車の前に歩み出た。
「大丈夫だよ。わたしが直すから」
「え? 直すって、修理の道具なんてありませんよ?」
首を傾げる彼女をよそに、わたしはひしゃげた車軸に向けて手をかざした。
「【商品修繕】!」
淡い光が馬車を包み込んだかと思うと、次の瞬間には、ひしゃげていた車軸が一瞬にして新品同様のピカピカな状態へと修復されていた。
ガタついていた車体も真っ直ぐになり、完全に元通りになっている。
「はい、これで動くよ」
わたしが振り返ると、セフィアさんはポカンと口を開けて、信じられないものを見るような目で馬車を凝視していた。
そして、再び彼女の中で何かのタガが完全に吹き飛んだ。
「しゅごぉおおおお! えー! どうなってるの、しゅごぉおおおおい!」
セフィアさんは絶叫しながら、修復された馬車とわたしに交互に激しく食いついてきた。
どうやら、帝都への道のりはかなり騒がしいものになりそうだ。
【おしらせ】
※5/22(金)
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