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90.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

 完成したリオン玉を革袋に詰め込み、わたしは交易の準備を整えた。

 目指すは、大勢の商人が集まり活発な取引が行われているという隣国、マデューカス帝国である。

 お供として連れて行くのは、専属メイドのアナと、武闘派のキリカだ。


「ぶろろろぉぉぉっ!」


 荒野に小気味良いエンジン音を響かせながら、わたしたちは快調に飛ばしていた。

 乗っているのは、廃棄都市のガラクタを【仕様変更リメイク】して作り出した、四輪の魔導車である。

 馬車とは比べ物にならないスピードで、荒れ果てた大地をぐんぐんと進んでいく。


「快適ですね、リオン様! 風がとっても気持ちいいです!」


「主の作る乗り物は、本当にすごいや。どこまでも走っていけそうだね!」


 助手席のアナと後部座席のキリカが、窓から吹き込む風を浴びて楽しそうにはしゃいでいる。

 二人の笑顔を見ていると、油の買い出しという名のお出かけも悪くないと思えてくる。


 しかし、国境が近づいてきた頃、前方の砂煙の中に不穏な影が見えた。

 一台の豪奢な馬車が、武装した男たちに包囲されていたのだ。


「リオン様、あそこ! 盗賊に襲われているようです!」


「助けよう。キリカ、アナ、準備はいい?」


「「はいっ!」」


 わたしは魔導車のアクセルを踏み込み、盗賊団の群れの中へと急停車させた。

 突然現れた謎の乗り物に、盗賊たちがギョッとして動きを止める。


「なんだてめえら! 痛い目を見たくなかったら、すっこんでろ!」


「アナ、お願い!」


「はいっ! 『氷結陣』!」


 アナが流麗な動作で杖を振るうと、盗賊たちの足元から一気に冷気が立ち上った。

 一瞬にして彼らの足は分厚い氷に覆われ、完全に動きを封じられる。


「うおおおっ、足が、足が動かねえ!」


「そこだっ!」


 盗賊たちが混乱している隙を突き、キリカが後部座席から跳躍した。

 空中で愛用の魔剣を抜き放ち、圧倒的な武力で次々と男たちを峰打ちで無力化していく。


 あっという間に形勢が逆転し、残るはリーダー格の男ただ一人となった。


「くそがぁっ! ふざけやがって、死ねぇ!」


 追い詰められた男が、ヤケクソになってわたしに向けてナイフを全力で投擲してきた。

 一直線に飛んでくる鋭い刃。


「リオン様、危ない!」


 アナの悲鳴が響くが、わたしは慌てずに手のひらを前に突き出した。

 【リサイクルショップ】の機能を、目の前に迫るナイフに向けて発動する。


「『買取』!」


 飛んできたナイフが光に包まれ、わたしの顔に突き刺さる直前でフッと消失した。

 物理的な攻撃そのものをアイテムとしてポイントに変換し、見事に防ぎ切ったのだ。


「な、なんだと!? 俺のナイフが消えちまった!」


「よそ見してる暇はないさね!」


 驚愕して固まるリーダーの背後から、キリカの魔剣の柄が脳天にクリーンヒットする。

 男は白目を剥いて、その場にドサリと倒れ伏した。


 これで盗賊団は全員制圧完了だ。

 安全が確保されたのを確認し、わたしは豪奢な馬車へと近づいていく。


 ガチャリと扉が開き、中から一人の女性が姿を現した。

 燃えるような緋色の美しい髪が、荒野の風にサラリとなびく。

 洗練されたドレスに身を包んだ彼女は、わたしたちに向かって優雅に一礼した。


「危ないところを助けていただき、ありがとうございます。あなた方は?」


「わたしはリオン・サイハーデン。デッドエンドでカンパニーを経営しているんだ。怪我がなくてよかったよ」


 わたしが名乗ると、彼女はふわりと微笑みを浮かべた。

 その瞳には、並の旅人にはない、鋭くも知的な光が宿っている。


「デッドエンドの経営者様でしたか。これは素晴らしいご縁に恵まれました」


 女性はスッと姿勢を正し、淀みない口調で名乗った。


「わたしは『OTK商会』のマスター、セフィア・クラフトと申します。以後、お見知りおきを」


 OTK商会。

 それは、マデューカス帝国でも屈指の規模を誇る超巨大商会だ。

 油の大量取引にはうってつけの、最高の大物商人との出会いだった。


【おしらせ】

※5/6(水)


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― 新着の感想 ―
おおっ別作品に出てくるマリア様のOTK商会が!
>「わたしは『OTK商会』のマスター、セフィア・クラフトと申します。以後、お見知りおきを」 名前が杖職人のソフィアと似てるけど、勿論別人で親類縁者ってとこかな?
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