91/95
91 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
九条良経 (平安から鎌倉時代の公卿、歌人)|後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)
若者訳
虫まで鳴いてる、霜まで降りてる、布団は寒い。
で、隣には誰もいない。
いや環境、全部そろって俺を寂しくさせに来てない?
せめて誰か隣にいてくれよ……と思いつつ、本日も安定のソロ寝です。
ではおやすみ。
現代語訳
こおろぎが鳴いている、霜の降りる寒い夜。冷たいむしろの上に、自分の衣の片袖だけを敷いて、私はたった一人で寂しく寝るのだろうか。
この歌は、九条良経が秋の寒い夜の寂しさを詠んだもので、『新古今和歌集』に収められている。
また、柿本人麻呂の「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」を本歌としており、最後の「ひとりかも寝む」という表現を取り入れてる。
良経は、こおろぎの鳴き声や霜の降りる寒い夜、冷たいむしろといった情景を加えることで、秋の夜に一人で眠る寂しさを印象深く表現した。
当時のきりぎすは、現代でのこおろぎに当たる。
また、この歌は実際の体験談かどうかは不明。




