78/89
78 淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守
淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に 幾夜寝覚めぬ 須磨の関守
源兼昌(みなもと の かねまさ) (平安時代の貴族、歌人)
若者訳
夜中に海辺で千鳥がピーピー鳴くせいで、関守のおじさん全然眠れんやん。
おい千鳥。
お前また飛んできたんか。
昨日も来たよな?
てか一昨日も来たよな?
ピーーーッ!!
「うわっ! また鳴いた!」
ピーーーッ!!
「エモくて寝れん! お願い寝かせて……(ノД`)シクシク」
現代語訳
淡路島と須磨の間を飛び交う千鳥のもの悲しい鳴き声に、須磨の関所の番人は、いったい何夜眠りを妨げられ、目を覚ましてきたことだろうか。
この歌は、須磨の海辺の夜を舞台にした歌。
淡路島(瀬戸内海の島。現在の兵庫県)と須磨(現在の神戸市)の間を飛び交う千鳥の悲しげな鳴き声を聞きながら、須磨の関守が何度も眠りから目を覚ましてしまう様子を詠んでいる。
実際には当時の須磨に関所は廃止され、ありませんでしたが、作者はあえて「須磨の関守」を登場させることで、古い旅情や孤独感を演出。
また、『源氏物語』の「須磨巻」を思わせる寂しく物悲しい雰囲気も込められている。
夜の海辺に響く千鳥の声によって、人の心にしみる深い寂しさを表現した名歌として知られている。




