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63 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
藤原道雅(ふじわら の みちまさ) (平安時代の公卿、歌人)|左京大夫道雅
若者訳
もうさ、ムリ。ほんとムリ。
この恋、ここで強制終了ボタン押します。ポチッと。
……って、それくらいはさ、本人に向かって言わせてくれません?
いや、なんで第三者経由なんですか。
「伝言ゲーム」で失恋とか、どんな地獄仕様ですか。
「好きでした」も「もうやめます」も、せめてこの口から直接出させてくださいよ。
最後くらい、ちゃんと“自分の声”で終わらせたいんですけどぉ……(ブツブツ)
現代語訳
今となってはもう、「あなたへの想いをきっぱり断ち切ろう」ということだけでも、人づてではなく、直接あなたに伝える方法があればいいのに。
藤原道雅は、当子内親王と恋仲になった。
しかし、当子内親王は本来恋愛が許されにくい立場にあり、この関係は問題となった。
やがて三条天皇の命により、警護がつけられ、二人は完全に会えなくなってしまった。
その結果、道雅は、「せめて想いを断ち切ると一言、直接伝えたい」という切実な心境に至り、この歌を詠んだ。




