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43 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
藤原敦忠(ふじわら の あつただ) (平安時代の公卿、歌人。三十六歌仙) |権中納言敦忠(ごん ちゅうなごん あつただ)
若者訳
昨日ついに、あの人と“リアル逢瀬イベント”発生。
そしたらさ、今のこの沸騰した気持ちに比べたら、それまで“恋で病んでた”とか言ってた自分、ただの平熱じゃん。
ぜんぜん恋してなかったわ。
でも今は、触るとヤケドするぜ(……自分が)。
現代語訳
あなたと逢って契りを結んだあとの、今のこの心に比べてみると、
逢う前の昔は、恋に思い悩んだなんてことは、何もなかったのだなあ。
男女が契りを結んだ “後朝” の情景を背景にした恋の歌とされている。
作者は、実際に 相手と逢瀬を交わした翌朝の心境を詠んだと考えられている。
「逢う前にも恋で悩んでいたと思っていたが、実際に結ばれた後の恋しさのほうが、はるかに深く切ない」
という、恋の成就によってむしろ想いが強まり、心が激しく揺れ動く様子を表現している。
平安時代の恋愛文化では、逢瀬の翌朝に男女が歌を贈り合う「後朝の歌」が重要な儀礼だった。
この歌もその文脈で読まれ、後世まで名歌として伝わった。




