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❖面白い和歌の若者  作者: ノアキ光


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42/69

42 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは

ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越なみこさじとは

清原元輔(きよはら の もとすけ) (平安時代の貴族、歌人。三十六歌仙)


 若者訳

なあ覚えてる?

ふたりで大泣きして袖びっちょびちょにしながら“絶対別れへん!末の松山が波ドーンされるなんて絶対ないし!”

とか言ってたやん?

……あれ?

その“絶対”って、ネット通販のお急ぎ便より早く消えたん?

てか、君の心変わり、末の松山どころか〝世界最大の津波レベル〟で越えてきたんやけど?!



 現代語訳

固く約束しましたよね。互いに涙で濡れた袖を絞りながら――あの“末の松山”を、波が決して越えることのないように、私たちの仲も変わらないと誓ったのに。


この歌は、恋人に心変わりされた男性の代わりに、清原元輔が詠んだとされる「恨みの歌」。

昔から「どんな大波でも絶対に越えない」と信じられた歌枕・末の松山を用い、互いに涙で袖を濡らしながら「決して変わらない」と誓い合った過去を示し、その誓いを破られた嘆きと恨みを表現。

また、以前の和歌にあった「誓い」をテーマにした歌を踏まえて作られた、本歌取りの構造を持つことでも知られている。

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