64 最後の会議へ、出発
少しして起こされた私は、目を擦りながらあくびをしかけたが、中断した。
王様の前で寝てしまったことを恥ずかしく思って、すぐに私は立ち上がって、横にいた王様に謝罪をした。
「すみませんでした!こんな場所でだらけて寝てしまって!」
「ははは!いい寝顔だったぞ!」
「お疲れのようですね、カイラさん」
王様は豪快に笑って、まったく気にしてないぞというようにしていた。
カイロも俺のことを心配してくれて気遣ってくれた。なんて優しい人たちなのだろうと私はその温もりを感じた。
「さぁ、準備していくぞ。さっきまで馬車にトラブルがあったんだが、もうそれも終わって馬車の手配も出来てるらしいからな。」
「わかりました。」
そう言って俺は早速準備に取り掛かった。
会議のための書類と、それを入れとくためのバッグ、それと肩掛けの袋型水筒に、あとは俺がホテルの頃からずっと大切にしている、ボロボロになってしまっていたいつものバッグを持って、後はスーツを整えたら準備は完了であった。
その時ゲーシュさんも部屋にやってきて、大声で叫んだ。
「おはよう!カイラ!」
「ゲーシュさん、声が大きいよ」
「あっ、すまん。カイラ、かなーリお疲れさんだったもんなぁ、疲れは取れたかい?」
「ああ、もう元気いっぱいだよ」
「いぇーーーーす、もうそろそろ出発なんですよね」
「ああ、元気いっぱいの豚だこと」
「王様に豚呼ばわりされましたぁ!」
「豚獣人だろうが」
「そうでした」
「ちょ、ゲーシュさん!」
わざとらしく私に泣きついてきては助けを求めてきた。かなり強く抱き締められてきた。
その明らかなウソ泣きはギャグなのだろうとすぐにわかるものであった。
しかしだいぶ失礼なことをしているのは止めなければ。と思ったのだが、以外にも王様は腕を組んで笑っていた。
「はっはっは!明るいのは良いことだ。俺豚のことは好きだぞ、優しい人が多いし」
「本当ですか!ありがとうございまっ……す!」
今ありがとうございマッスルって言おうとしただろう。という突っ込みは喉の奥に飲みこんだ。
かなり緩んでいるが、もうそろそろ出発なのに緊張はしないのだろうか。
するとその時、ちょうど執事が俺たちのことを呼びに来た。副騎士長に報告に行った執事であった。
「王様、カイロ様にカイラ様、ゲーシュ様も。馬車の準備ができましたので出発しましょう。」
「わかった。」
執事ははしってきたのに全く息が上がっていなかった。すごい体力だなとそこで俺は察した。
王様はこちらに振り向くと、近寄ってみんなの荷物を確認させた。
「準備は大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。さっき最終確認をしました」
俺はそう返事したが、他の人達はまだ最終チェックをしておらずに、その場で荷物の忘れ物がないかを確認していた。
「はい!俺もないです!」
「私も、ありません」
ゲーシュさんもカイロさんもしっかりとそういうと、王様は頷いた。
他にいた人たちも、おそらくあちらで護衛として準備は完璧なのだろう。
「では、行こうではないか」
そういうとその執事は頷く代わりに、お辞儀をして承諾した。
「それでは、馬車までご案内いたします。」
メイドは綺麗なお辞儀をして、後ろを向いてはゆっくり歩き始めた。
そして俺たちはマンダ取り度すために、最後である国交へと向かうことになった。目指すはエーテル。人間の国だ。
マンダよ、今は何をしているだろうか。
これまでずっと、待たせてしまったな。たぶん、一人でかなり苦しい思いをしているのだろう。私はすぐにでも行って抱きつきたいが、今は国交での会議が最優先だ。
待っててくれよな、マンダ。




