14 予感
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あの人達か。
ずいぶんとイケメンなネコさんだこと。
国会で言われた内容はわかんなかったけど、人間の国には問題なさそうだし、それでいいかな。
これで、給料がもらえる。
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城の門から出る頃、彼はさっきの私のように、何かの違和感について考えているようだ。トイレのつまりが取れないような顔をしている。
私は気まずくて何か話そうかとも思ったが、過去の経験で話すと不機嫌になることは嫌程わかっているのでぐっと口を結んだ。
そして急にこちらを見て話し始めた。
「……あの娘、なんか変だったな」
「ん?別になんとなかったけど……」
出迎えられた時のものとは違う違和感だろうか。と感じ取って知らないふりをした。
「うーむ……まぁ猫の勘が働いただけだろう。とりあえず周りには注意しておこう。」
「どういうこと?」
私が聞くと彼はとても真剣に、ちょっと怒っても見える顔をした。私はその瞬間、悪寒のような、嫌な感じがしてたまらなかった。
歩きながら耳に顔を寄せてきて、ひそひそ声で誰にも聞こえないように、緊張した面持ちで話し始めた。
「言っちゃうと。あの子、もしかしたらスパイかもしれない。人間の匂いがした。」
「は……」
彼の顔はとても暗く見え、少しだけその顔を見て私は鳥肌が立ち、息を飲み込んだ。
この城の中の人物で人間の匂いがした。
普通の町中なら旅人が迷い込んだり猿の種族がいて人間に近い香りがするのもよくあることだが、この城の中だと話が違うことになる。
彼は少し語り始めた。
「前提として、この城の中は完全に獣人の領域になっているんだ。それで中に入るには獣人の匂いで人間の匂いがわからなくしてしまうほど消さないといけない。マンダは僕の匂いで大丈夫だけどね。一部の人間にとって獣人は金にもなり得る平和ボケした格好の獲物だ。そのため、人間の匂いは獣人の中でも忌み嫌われており、とくに王宮の中では禁忌扱い。
んでも、さっきはマンダ以外の人間の匂いがした。しかもバレないように薄っすらと。水筒に塩一つまみ入れたくらいの匂いだ。
それでも人間の匂いがした。ということは、人間がどこかにいるということだろう。この城の、どこかに。」
「えっ……怖すぎ。」
私の場合、いつも彼と暮らしていて獣人の匂いがとても濃く、事前に匂いつけを省略されることを彼に知らされていた。
なんだか獣臭いと言われているようで少し嫌だが……猫と暮らしてるから獣臭いのは当たり前か。
「ん……まぁいっか。今は気にしなくてもいいだろう。じきに手紙がまたうちに届くはずだ。」
「えっ、またこの城に来るの!?」
あの恐ろしい闇市場に落ちかけた道を2度だけでなく何回も行かなくてはいけないなんて、鳥肌が止まらない。
「残念だけど、そのうちそうなる。だけどいつでも僕がそばにいるから、安心して。マンダ。」
そう言って私の肩に手を当てた。しっかりと掴んでいてくれるその手が、あったかくて、柔らかくて、でもしっかりと掴んでいて、とても信頼できる。
「うん、わかった。」
私は頷いて彼に抱きついた。
「ずっと守ってね!」
彼の体温がちょっとだけ上がったように感じた。
そして小さく、「もちろんさ」と聞こえた。




