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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
異世界と現実

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第131話 そういう所はもっとファンタジーで良いと思うだけどなぁ……。


 「あんまりスピード出すんじゃないわよ」

 「このくらい。このくらいのスピードで良いんだから」

 「飛ばすんじゃないわよ。分かってる? この暴走娘」


 「うう、分かってるですぅ。昨日のようなヘマはしない。しないですよぅ」

 「ほんとだかねぇ。あんたは前科一犯なんだから」


 「私達が居なければあんたは死んでたんだからっ!!」

 「そこのところ、もっと考えて貰わないとっ!!」


 「あ、あう……。あうあう」

 「まぁまぁ、博士。彼女も反省してる事ですし」


 「反省してるからってまたしないとは、限らないでしょっ!!」

 「大丈夫ですよ。きっと反省しましたから。ね。アオイビアンさん」


 「あ、あい……。も、もうしないです。竜とも共々助けて下さりありがとうございました」

 「ほら、反省してるってっ!!」


 「あんたはいちいち甘いのよっ!! こういう奴はね学習しないだからっ!!」

 「だから今ここでビシって言っておかないとっ!!」


 「まぁまぁ、そう責めたら可哀想ですよ」


 竜の治療を終えその夜、俺達は再び森を飛び皇都へと向かう。

 その道中はぁ。博士のお小言が随分続いてる。


 まぁ昨夜の事件は流石の俺もどうかと思うけど。

 でもあんまり責めるのも可哀想だなと感じてしまう。


 「ううう……。まさかあんな事をするなんて。プライドがくすぐられてつい」

 「りゅ、竜騎士失格ですっ!! 本当に恥ずかしい……」


 「そう思うんなら反省文十枚描きなさいっ!! 自分がどれだけ悪かった誠意を見せなさいよねっ!!」

 「し、始末書ですぅっ!? し、始末書が嫌いですっ!! 勘弁してくださいですぅ」


 「いいや勘弁は出来ないわっ!! 始末書をしっかり書いて」

 「まぁまぁ博士。本人も反省している事ですし」


 「だからこその後始末が大事なんでしょうがっ!!」


 あらぁ。そうなのかな? 俺社会経験ないからなぁ。

 それが社会的に正しい事だったりするのかな。


 「ともかくねぇっ!!」

 「しかしアレなのです」

 

 「うん? なによ」


 「竜騎士の私ですら反動で足を飛ばすような状況を」

 「ニート殿はよく耐えて……。凄いのですねぇ」


 「う」


 あ、そっちに興味出ちゃった? たはは、えーっと。


 「まぁ、そういう魔法を使ってるからっ!!」


 困ったときの魔法万能説。そう全部魔法。全部魔法ですよっ!!


 「魔法……。私の戦闘服も魔装具由来ですが」

 「つまりニート様の衣服はそれ以上の魔装具、だと?」


 うわっ、話広げられたっ!! えっとぉ。


 「そ、そうよ、そういう「まそうぐ」なの」

 「す、凄いですっ!! 竜騎士の戦闘服を超える態勢を持つなんてっ!!」


 「どこのブランドの戦闘服なんですかっ!?」

 「うるさいっ!! ともかくさっさと皇都に行くわよっ!!」


 「あぁ――ん。教えてくださいですよぉ――っ!!」


 奇しくも博士のお説教を脱し、俺達は皇都へと向かう。

 しかし音速を超える程の生物が居るなんて凄いなぁ。


 まぁ超えた瞬間、耐え切れず死んじゃうみたいだけど……。

 ともかくこれで2種目っ!! あとは98種っ!! うんうん。


 先は長いっ!! 

 ふぅ、皇都で色々見つけられると良いんだけど。


 「それじゃあさっさと皇都に急ぐわよっ!! 誰かさんのせいで一日遅れたんだからねっ!!」

 「あ、急ぐですぅ? ならもっとスピードを」


 「出さないっ!! 現状維持っ!! 現状だけでも十分早いんだからっ!!」


 現状。まぁ、うんそうだね。現状は800キロくらい出てるか。

 竜。凄いじゃんっ!!


 これなら皇都、早く着けそうだなぁ。



 

 ◇ ◇ ◇


 


 って訳で皇都に付いたっぽいっ!! 時間にして4時間くらいか。

 時速800キロで4時間だから、それなりに遠い所まで移動したんだと思う。


 「ここが皇都ですっ!! どうです凄い所でしょうっ!?」

 「へぇ、ここがかぁ」


 空から見える都市はそれなりに広い「いかにも」って感じの西洋風の。

 西洋風、の……。


 「えっと、あの中央のお城なんだけど……」

 「ああ、はい。なんですぅ?」


 「真ん中の城って大阪城っぽいわね……。日本の城じゃないの」

 「おおさかじょう。とは? 何ですぅ?」


 「いやぁ……」


 目の前の王都はぐるっと壁に囲まれた大きな城塞都市だった。

 建物は西洋風で中世ヨーロッパの息吹を感じさせるが。


 街の中央の大きな城だけは和風の面持ち。

 瓦張りの大きいな日本風建築の城と洋風の建物。


 それが妙なミスマッチを起こして。

 何かを勘違いした観光地のような威容でそこに立っていた。


 「えっと、何か変でゴワス? 普通の街の様子でゴワスけど」


 アニエスさんの様子を見るに、この光景は特に違和感があるものではないらしい。

 

 「まぁ、ちょっと街の外観が緑っぽすぎるするニャンけど」

 「アイルランド皇国、聞きしにまさる大きな街ですニャンっ!!」

 

 アイルランド皇国……。そういえばその名前の秘密もあったか。

 アイルランド……。アイルランドって、アイルランドだよなぁ?


 「ともかく皇都に付いたのですっ!! え、えっと例の件のお礼もありますし……」

 「まずはお家に招待するですっ!! いらっしゃい、なのですっ!!」


 お、どうやら彼女の家にご招待してくれるようだ。

 良いね良いねっ!! 出先の知らない街に泊まれる宿があるなんて素敵だぁ。

 どんな家なんだろうか。やっぱり中世なお屋敷? 楽しみだっ!!


 「では竜は街の外に置いて、入り口から入るです」

 「あら、竜は街に入れないの?」

 

 「竜も魔獣の一種ですから、結界に阻まれて入れないのですね」

 「入れない? でもダブリン村には入ってきたわよね」


 「あそこには制空用の結界がありませんから大丈夫なのです」

 「皇都にはそれがありますから。空中からの攻撃もバッチリなのですっ!!」


 「ふぅん。色々考えてるのねぇ……」

 「竜も魔獣ですから。色々と制限がかかるのです。仕方ない事なのですね」


 「魔獣、ね」

 

 また魔獣という言葉。普通の魔物とは違う生態らしいけど。

 いったいどんな違いがあるんだろうか。


 「魔獣と普通の生き物。どんな違いがあるのかしらね」


 ねぇ――。

 まぁ今は皇都の中に入るのが先ですよ。

 っと言う訳で竜を下ろす為に、街の外の大きな広場に入る。


 どうやらそこに着陸するらしい。広場の中央には光る……。

 これは植木か? 着陸地点には緑色に光る整えられた植木があった。

 

 そこの植木は空中から見ると三つ葉のクローバーのように見える。

 なんだろう。なんで三つ葉?

 

 「なんか三つ葉の植木があるけど……。あれは何なの?」

 「ああ、これは我が国の国旗なのですっ!!」


 「クローバー、よね?」

 「クローバー? 違うのですこれはシャムロックなのですっ!!」


 「シャムロック。そういう植物があるの?」

 「いや無いのです。これは「異世界」の植物なのです」


 異世界の? どういう事だ?


 「はは――――ん」


 うん? 博士?


 「なんとな――く。話が分かって来たわよ」

 

 おお? そうなんですか?


 「何なんです博士それは」

 「それは皇都の皇帝に会えば分かるわよ」


 あらつれない。まぁ後々分かる事か。

 

 「それじゃあ行きましょう皆さんっ!!」

 

 地面に付いて、それから職員の人達が竜を連れて行く。

 ああいうサポートする人も居るのか。なるほど竜。それをサポートする職員達。

 魔装具だとかいう道具も必要みたいだし、確かに色々物入りが多そうだ。


 借金してまでなりたい仕事。なるほどなぁ。


 「ねぇ京介。ここさぁ」


 うん? なんですか博士。


 「ここ、ちょっと匂わない?」


 ああ? ああ、まぁ……。


 「竜のウンチは格段に匂いますから、少々の匂いは仕方ないのですっ!」

 「しっかし匂うわ。ねぇもうさっさと街に入りましょう」


 「あっはっはっ!! 妖精は弱いですねぇっ!! これくらい平気なのですっ!!」

 

 動物由来の兵器という事でこういう弊害もあるか。

 しかし凄い匂いだなぁ。牧場の……。いやもっと酷い。


 これが竜のウンチってやつか……。うぉおおおお臭い。


 「竜のウンチは雇ってる世話人のお給料にもなるし、こう見えて便利なのですっ!!」

 「ええ、そうなのかい?」


 竜のウンチが給料に? え、どういう事なんだ?


 「乾燥させてかまどの燃料にしたりするニャン。竜糞は貴族が使う良質な燃料ニャンです」

 「あ、もう先に言っちゃ駄目なニャンよーっ!! 私が先に言いたかったのにぃ」


 竜の糞を燃料に? へぇ――。バイオなんとかってやつぅ?

 なんか凄いな。

 

 「ウンチが給料ねぇ。なんか色々考えられてるのね」

 「ふふふ、ニート様はおのぼりさんなのです? 人に教えるのって面白いのですっ!」


 「街の事、もっと教えてあげるのですっ!! 色々迷惑かけた分大盤振る舞いなのですっ!!」

 「さぁ、そういう訳で街に出発ですよ――っ!!」

 

 ふふふ。アオイビアンさん。元気になったようだ。

 移動中はどうにも落ち込んでた様子だったから、調子を取り戻してくれたようで良かった。


 さぁ、そういう訳で皇都探索だっ!!

 これからどんな発見があるんだろうなぁ――。


 


 ◇ ◇ ◇





 うお臭っ!!


 「くっさっ!! え、なに。えっ!?」

 「うん、どうしたですか?」


 「なによ。なによこれ。入り口からして……」


 「すっごく臭いじゃないっ!!」


 アイルランド皇国。その皇都は……。

 なんか凄く臭かったっ!!


 なんでぇっ!?


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