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境界管理局

作者:きなとろ
魔王が討たれ、世界は救われた。
――はずだった。

だが、その戦いを成し遂げた“英雄”の名前は、
どこにも記録されていなかった。

世界の裏側で秩序を保つ組織《境界管理局》。
その第七課に所属する青年・アレンは、
英雄登録台帳に残された不自然な「空欄」に気づく。

英雄は登録され、管理され、必要とあらば“終わらせられる”。
それが、この世界の安定を支える仕組みだ。
にもかかわらず、帳簿にない英雄の功績だけが、
世界を救った事実として残っている。

調査のため現場へ向かったアレンは、
名もなき英雄の影響が、すでに一つの村を蝕んでいることを知る。
救われたはずの世界の裏で、
取り残された人々の人生が、静かに壊れていた。

「世界は安定している」
それが、境界管理局の下す“正しい判断”。

だが、正しさの代償として、
個人の痛みや後悔は切り捨てられていく。

判断を急げば、誰かが犠牲になる。
判断を遅らせても、誰かが壊れる。

英雄を登録すべきか。
それとも、この空欄を残すべきか。

世界の安定と、目の前の人間。
その狭間で、アレンは帳簿を閉じないという選択をする。

これは、
英雄を讃える物語ではない。

英雄を必要とする世界と、
その判断を背負わされる人間たちの、
静かで残酷なファンタジー。
帳簿にない英雄
起票 ――帳簿にない英雄
2026/01/28 02:18
初動 ――境界管理局
2026/01/28 02:22
現場確認 ――遅れの代償
2026/01/28 02:33
安定 ――世界は正しい
2026/01/28 02:41
介入 --ガルドは怒る
2026/01/28 02:45
遮断 ――終わらせる判断
2026/01/28 14:17
命令 ――帳簿を閉じろ
2026/01/28 18:50
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