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103 現状整理


 盗賊騒ぎからしばらく経ち、事態も程よく収まってきた。


 国が面倒を見てくれていた女性たちも、今のところ大きな問題はないと報告を受けた。


 盗品については、商業ギルドのおかげで無事に流通し始めている。

 誰の所有物かは、もはや分からないので、喧嘩にならないように盗賊被害にあった人たちと利益を分け合っているらしい。

 喧嘩だけはやめてほしいところだね。


 バルナについては、死刑が決まった。

 これに関しては、被害女性達の意見が取り入れられた。

 生きて一生罪を償うか、この世に生きることすら許さないか。

 被害女性達は後者を選んだ。

 もちろん私に異論はないし、私が決めていい問題じゃないと思う。


 女性に暴力や性行為を強要していた男達や、商業ギルドの直属の部下はバルナと同様に死刑が執行され、盗賊行為のみをしていた者たちや、護衛役をしていた冒険者については、国の元で一生の労働が課せられることになった。


 とにかく、今回バルナが処刑されたことで、悪人達の行動が多少マシになってくれることを願う。

 2度とこんな被害者は出したくない。

 


 

 さて、今日は学院が休みの日だ。


 以前にクシミルさんに教えてもらった場所に行き、チーズを開拓しに行く。


 もちろんチーズは大事だが、肝心なラーメン作りが全くできていない。

 仕方ない。

 ラーメン作りはそう簡単に手を出せるものではない。


 あっさり系のスープと言えど、軽く5時間は煮込む必要がある。

 こってり系になれば、10時間でくだらないものだってある。


 私は程よくこってりの味噌ラーメンが好きなので、できる限りそれを目指したい。


 とは言え、この世界に来て味噌はまだ見たことない。

 ラーメンに詳しいとは言え、さすがに味噌の作り方までは知らない。

 ちなみに、醤油らしきものはある。


 そして、私たちが普段食べているのはウルフ肉だが、話を聞く限り牛や豚、それに鶏もいるらしい。

 一部の場所でしか生産されていないので、あまり出回ることはないそうだ。

 

 クシミルさんに、ウルフの骨から出汁が取れるか聞いてみたんだけど、あんまり美味しくないと言っていた。

 まぁ私のいた世界でも、狼のスープは聞いたことがない。

 タイガーも無理そうだし、それ以外となれば今のところ、見たことないような気持ち悪い魔物しかいない。

 どれも、出汁を取る気にはなれない。


 そういうわけでチーズといえば牛だ。

 牛といえば牛骨だ。


 チーズをゲットするついでに牛骨をゲットしたい。

 もし手に入れば、私の第一目標は牛骨ラーメンになるかもしれない。

 牛骨って結構高いし手間かかるから、私もあんまり作ってこなかったんだよね。

 ウキウキするよ。


 ……しかし、まだだ。


 ラーメンに欠かせない、麺が必要だ。


 何とこの世界には、麺がない。


 小麦を使ったものは、パンかマカロニのようなものしかない。

 マカロニまで行ったなら頑張ってよ。せめてパスタまでいこうよ。


 それに、手動でも製麺機が必要なんだけど、麺がなければ製麺機なんてものはないに決まってる。

 もちろん私に作れるわけがない。


 作りたい気持ちは山々だが、それよりも問題が色々と山積みなのだ。

 ゆっくり根気強く解決していくしかないね。


 とりあえず、目の前のできそうなことから解決していく。

 まぁ、最初にも言ったけどとりあえずはチーズだ。


 ラーメンには直接関係ないが、普段食べているものがより美味しくなるのは間違いない。

 牛骨は…あればラッキー程度でいこう。



 そんなわけで今、テアに乗ってシーナと一緒にチーズの生産地へと向かっている。


 セリも誘ったのだが、最近手伝えてなかったお店のお手伝いをすると言っていた。

 まぁ休日はお店忙しいし、イリアさん達もだいぶと助かると思う。


 ちなみに、私がテアに乗って移動していることはシーナもセリも知っている。

 シーナが乗りたいと言って聞かなかったので、2人には学院の自主訓練中に認識阻害の練習をみっちりさせておき、習得させた。


 それはそうと、2人の魔法操作がどんどん成長している気がする。

 慣れという可能性もあるかもしれないが、慣れだけで、私やテアが使うような魔法が使えるとも思えない。


 すると、1つの仮説が立てられる。


 以前私が導いた『魔力は器に収まっていて、今まで経験したことのある最大魔力量まで回復する』という結論は、間違ってはいないが、少し違うかもしれない。


 シーナやセリたちの魔法力を見て薄々気づいていたけど、魔法を使えば使うほど、器が大きくなると同時に、魔力量がそれに比例し少しずつ増えている。


 まぁ、当然といえば当然で、その方がいいに決まってる。

 魔法を練習することで魔力が増えるとしたら、努力は報われているということだし。


 もしそうなら、私より強い人が出てくる可能性だってあるということだ。

 なんか楽しみ。


 シーナとセリが私より強くなってボコボコにされて今までの復讐とかされたらどうしよ…。


 冗談が大好きな2人だ。

 ちょっと心配だよ。


さて、そんなわけでシーナとのプチ旅になります。

ちなみに、旅というほど長くありませんw

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