表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/256

101 魔除けの魔法陣


「ねぇテア」

「うむ?」

「魔除けの魔法陣どこにあるかわかる?」

「ついてくるとよい」


 私とテアは魔除けの魔法陣を見に行く。


「これじゃ」

「えっ、何もないじゃん」

「妾の視界を見せよう」


 テアの視界が入ってくる。


「おー。魔力は見えるけど、何かはわからないね」

「この文字は妾にもわからんの」

「これって、取れたりするの?」

「見る限り、魔道具ではなく魔法陣じゃ」


 盗まれたものは魔道具と言っていた。


 魔道具は、なにかしらの材料に魔法陣を組み込んで作る。

 

 これが魔道具じゃないということは……。


「じゃあ、魔法陣を発動するとき、ここに直接書いたってことだよね?」

「そうなるのう」


 となると、ここにある魔除けの魔法陣は、国王が言ってた盗まれた魔道具じゃない。


「国王の言っていたものと違うよね?」

「これは別物じゃな」

「だとしたら、もっとおかしくない?」

「この世界にそんなことができる人間がおらんということか?」

「うん。バルナができるとは思えないし」


 あんな低レベルな輩が、私ですらわからない魔法陣を作れるなら、この世界はもっと発展しているよ。


「ところでじゃが」

「うん?」

「リンは魔法陣作れんのか?」

「えっ?」


 魔法陣って私でも作れるの?

 前にテアが作ってたけど、そう言えば作り方とか聞いてなかった。


「リンのことじゃから、もう魔法陣なんて簡単に作れるもんだと思っておった」

「何ひとつ理解できてないよ」


 次の目標は、後輩育成も良いんだけど魔法陣の研究でもいいかな?

 けど、魔導書も気にはなる。


 うーん。

 気になる事が多すぎるけど、どれもとっかかりがない。


 まぁ、極めたところで私と対等に戦える人も魔物も、今のところいないんですけどね。


 っと。それは置いといて。


 この魔法陣は日本語では書かれてない。

 ということは、あの英雄が作ったというわけではないのだろう。


 しかし、何やらこの国では見たことがない文字だ。


 テアのおかげで魔法陣の存在は認知できるものの、そこに書かれている内容は全くわからない。


 この国では使われていない言語。


 謎は深まるばかりだ。


「ねぇテア。ちなみにこの文字ってなんの文字かわからない?」

「さぁのう。妾の昔いた世界にも様々な文字があったが、見たことあるような気がせんでもない」

「うーん。とりあえずは保留かな」

「じゃの」


 もし持って帰れる(?)なら、持って帰っておきたい。


「魔法陣は魔力を乱せば壊れると、前に言ったじゃろ?」

「うん」

「その場から動かしたりすることは、少なくともその場にある魔力を乱してしまうんじゃ」

「そんな気はしてたよ」


 やっぱり無理なようだね。


「そのための魔道具じゃろ?」

「それはそうなんだけど」


 魔道具なら持ち運びも自由だ。

 実際に、魔法陣を毎回組み立てていては面倒だから魔道具が開発された、と考えても間違ってはいないはずだ。


 まぁ魔法陣が面倒かどうかはわからないんだけど。


 私の偏見では、やたらと設置まで時間がかかって「私が組み立てるから、時間を稼いで!」なんてシーンが浮かび上がる。


 とにかく今大事なことは、国王が言っていた盗まれた魔除けの魔道具と、ここにある魔除けの魔法陣は別物だと言うことだ。


 なんとも困ったことだ。

 まぁ今考えても何も解決しないので、とりあえずは盗品の整理をチャっと終わらせよう。



 

 しばらくすると、盗品整理が終わったとの報告があった。


 私はというと、小屋の周辺を見回っていたが、特に変わった様子も、不自然な場所もなかった。

 サボっていたわけじゃないからね。


 盗品の中身を把握し無事に全て収納した私は、部隊を王都へと転移させ、盗品を王都の商業ギルドの倉庫へと出した。


 商業ギルドが一旦管理してくれて、なんかうまいことやってくれるらしい。

 大変そうだけど頑張って欲しいところだ。



 その後、カイルさんから取調べの詳細を聞いた。

 肝心の繋がりのあった貴族だが、何やら正体を隠していたらしく、バルナも本性は知らないと言うことだ。

 嘘か本当か確かめようがないが、少し手荒に聞いても、知らないと言っていたらしいので、まぁ信じてやってもいいかもしれない。


 保護した女性や男性たちについては、国が責任を持って保護するとの事だったので、任せることにした。




 次にバルナの屋敷へと転移した私は、リエルさんから現状報告をしてもらう。


 どうやら中で働いていたメイドや私兵の中には、バルナの悪事を知らなかったものが多くいたそうなのだが、嘘という可能性もあるため、一旦全員の市民カードを預かり、慎重に調べていくそうだ。


 バルナの悪事を知っていたのに、知らないと嘘をついているのがバレたら、ほぼ死刑は確定とのことなので、リスクを冒してまで嘘をつく人はいないだろう。

 

 一方、知っていた人たちの中にも悪人はもちろんいたのだが、バルナに脅され、強制的に加担させられているものもいた。


 詳細は聞いていないが、ジェルドさんみたく、家族を人質に取られていた人もいるとのことだ。

 そういった人たちが、地下に閉じ込められていた人たちの居場所を教えたことで、地下に監禁されていた人たちは無事に保護されたそうだ。


 それにしても、バルナが行なっていた悪事を少しだけ聞いたが、やっていたことはかなり非道で、もっと殴っておけばよかったと後悔している。


 ちなみに、私がバルナと遭遇したルーズにあった小屋は、街の中ということもあり、国から派遣された者たちが対応してくれることになっている。


 あそこにも盗品があるので、ほったらかしておくわけにはいかない。


 最後にリエルさんに「全員まとめて王都まで送ってあげましょうか?」と言ったのだが、まだ色々とすることがあるらしく「お構いなく。我々は()()に帰りますから。リン殿はもうお休みください」と言われた。


 普通という部分を強調された。

 なんか複雑な気持ちだ。


 そんな気持ちを胸に、王都の家へと帰ってきた。


 盗賊事件も、全てとはいかないが、大まかには解決した。


 いろいろわからない事だらけだけど、次の目標は……


「やっぱり、あれしかないよね」


 私は決心を固め、テアを抱きかかえながらベッドに倒れ込んだ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ