第五話 「オラわくわくすっぞ。」
雑踏のなかのチェーン居酒屋。
灯りが一つ消えた看板、張っている蜘蛛の巣。
特別なんて、どこにもないように感じる。
「でもね、オラわくわくすっぞ。」
私は、居酒屋の引き戸を開ける
ガラガラガラ
「いらっしゃいませ〜、あ、毎度どうも〜」
私は、いつもの席に案内される。
先輩はまだ来てなかった。
「お連れ様、お待ちになりますか。」
「飲み物だけ頼んどこうかな。」
「かしこまりました。何になさいますか。」
「そうね……掴もうぜ!」
「濃いめの、ハイボール!はい、濃いめのハイボールひとつ。以上で?」
「そいつ見つけに行こうぜ、ボーイ。」
「すぐにお持ちしますね。」
店員は去っていく。
そして、濃いめのハイボールがすぐにやって来た。
私は、濃いめのハイボールをちびちび飲みながら、先輩がきたら何のツマミを食べようかと、お品書きを眺めていた。
「ごめ〜ん、遅くなった。」
先輩がやってくる。
「遅いですよ。待ちくたびれておばあちゃんになっちゃう。」
「ごめ〜ん、奢るからさ。」
「いらっしゃいませ。ご注文は?」
店員が先輩に注文を聞く。
「そうね……手に入れろ!」
「濃いめの、ハイボール!はい、濃いめのハイボールひとつ。おつまみはいかがなさいますか?」
先輩がこっちを見る。
「何にしたの?」
「まだ頼んでないです。」
「あらそう?じゃあねぇ……やっぱりレモンティー!」
「松本小百合か!で、おつまみは?」
「あ、唐揚げと、大盛りポテトフライで。」
「かしこまりました〜。」
店員が去っていく。
「オラわくわくすっぞ。」
先輩が楽しそうに待っていた。




