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第四十六話 「飛ばない豚はただの豚」

見慣れた部屋。

聞き慣れた音。

生乾きの匂い。

「ぶにゃあ」


「ただいまムーン、今日は猫缶だぞぉ〜」


ムーンは、スタスタと餌皿の前に移動する。

私は、猫缶ささみ味を餌皿に入れてあげた。

ムーンは、不細工な格好でガツガツと餌を食べた。

私は、ムーンを横目で見ながら、サラダボールに水を入れて、横に置いてあげる。

餌を食べ終わったムーンが、水をガブガブ飲んでいた。


「水をがぶ飲みする猫って面白いよね。」


私が撫でてあげても、ムーンは何も反応しないで、水を飲み続ける。


「なあ、全然王子様連れてこないじゃんか。」


ムーンは何も反応しないで、水を飲み続ける。


「やる気だせよ。お前はやれば出来る子なんだから。」


ムーンは何も反応しないで、水を飲み続ける。


「飛ばない豚はただの豚だぜ?」


ムーンは何も反応しないで、水を飲み続けていた。

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