表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/48

第三十六話 「メイ泣かないよ。」

薄暗い帰り道。

公園前の街灯がチカチカと点滅していた。

特別なんて、どこにもないように感じる。


「メイ泣かないよ。えらい?」


私は、泣いていた。


「ぶにゃあ……」


ムーンの鳴き声がする。

私はまわりを見渡す。

道路脇にムーンが横たわっていた。

ムーンの白い体が、赤く染まっている。

私は、迷わず抱き抱えた。


「重た……あんた、いったい何kgあんのよ。」


私は、ムーンを抱えて、不恰好な早足で国道を進んでいく。

信号を2個行ったところに、動物病院がある。


「あんた、死ぬなよ。」

「ぶにゃあ……」


ムーンは元気なかった。


『ムーンともお別れなの……?』


私の目から、大粒の涙が溢れ落ちた。


…………


「怪我は大したことないですね。命に別状はありません。」

「え?なら、なんで、あんなに弱って……」

「お腹が空いていたみたいですね。点滴をうったら元気になりましたよ。念のため、今日一日は入院ですけどね。」


ガラスの向こうで、いつものふてぶてしい顔をしたムーンが、寝そべりながらこちらを見下していた。


「良かった……」


私は、へなへなと膝から崩れ落ちた。

ふと気づくと、お気に入りの服が血で汚れていた。

私は、手だけ洗わせて貰い、マンションまで、のんびりと歩いて帰った。


「あ〜あ、お気に入りだったんだけどな。」


私は愚痴を言いながらも、なんかワクワクしていた。

物語の始まりとしては最高だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ