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第三十三話 「お前のものは俺のもの」
映写機横の狭い休憩室。
映写機音と、モールの館内放送が混じり合う。
特別なんて、どこにもないように感じる。
「でもね、私は美食家、食べれば元気になるのよ。」
「この世界のすべての食材に感謝を込めて、いただきます。」
先輩が私のお弁当を覗き込む。
「お前のフルコースの『メイン』俺が食っていいか?」
「『メイン』は鶏からに見せかけた、蛇からですけど、いきます?」
「うぇ……いきません。すいません。」
「蛇うまいのに。」
私は、むしゃむしゃと蛇からを食べていく。
「淡白でおいしいですよ?食べてみろよ。」
先輩は、高速で首を横に振る。
「無理です無理です無理です。すいませんでした。」
「あ、でも一回、先輩が勝手に食べた時、蛇でしたよ。」
先輩が、絶望的な顔をする。
「蛇と鶏って似てるから分かんないですよねー」
「そんな……」
「うっそ〜」
「え?」
「全部、嘘です〜今日の『メイン』も普通に鶏です〜」
先輩は、無言でチキンを3個鷲掴みにしてむしゃむしゃした。
「お前のものは俺のもの。」
先輩は食べ終わったあとで、そう言って去った。




