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第二十四話 「何が好き〜⭐︎」
まだ薄暗い部屋の中。
見慣れた天井、見慣れた壁のシミ。
特別なんて、どこにもないように感じる。
「でもね、私は昨日の記憶がないのよ?あれ?どうやって帰ってきたっけ?あれ?」
「あたいだよ。」
キッチンから声がする。
驚いて振り向くと、先輩が味噌汁を作ってた。
「あれ?先輩?」
「はーい、先輩でーす。」
「何で?」
「ここまで背負ってきたんだぞぉ〜」
「え?なんで?」
「なんで?なんでって、何が?」
「先輩って、そんな良い人でしたっけ?」
「おい!」
「先輩って、ただのチキン泥棒じゃ?」
「お、おい!」
「味噌汁の具は何?」
「急だな。小松菜使ったよ。」
「メイの分もある?」
「メイ?……ああ、待て、お弁当は作ってないぞ。」
「分かってますよ。」
「タッパーのご飯をチンするんで良いよね?」
「はーい。」
「何が好き〜⭐︎」
「めんたいこ、よりも、あ・な・た。先輩〜」
「はーい。」
「何が好き〜⭐︎」
「……酔っ払わない子。」
私は、スンってなった。
「あ、昨日はご迷惑をおかけしました……」
「いえ、大丈夫です。」
先輩は、ちゃっちゃと朝ご飯を準備する。
「さ、さっさと食べて仕事行こうぜ。」
「はい。では、この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます。」
先輩の作った味噌汁は、ちょっとしょっぱかった。




