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第二十三話 「しんてれら」

若者が騒ぐチェーン居酒屋。

空のボトル、少し残ってるゴーヤ。

特別なんて、どこにもないように感じる。


「れもね、あたしは〜しんてれらなのぉ……」


先輩が、私の肩をポンポンとする。


「そうだそうだ、しんてれらだ。」

「しんてれらじゃない、しんてれら!」

「おう、そうだそうだ。」

「何でそういうこと言うのぉ……」

「はいはい、お水飲もうねぇ、すいませーん。」

「はい、お水どうぞ。」


気の利く店員が、水をピッチャーで持ってくる。


「ほら、水飲め。」

「むり〜、もうのめない。」

「これ、水だから。」

「みう?」

「そう、水。」

「みう、やだぁ、まらのむの!」


先輩は、無言で私の口に水を注ぐ。


ごぶっ、ごふゅ、ごくごくごく


「水、おいしいね。」


私の笑顔を見て、先輩はあきれる。

それから、フッと笑った。


「笑えたな。」

「なにが?」

「いや、なんでもない。帰るぞ。」

「むり、たてない。」


先輩は、ため息を吐いてから、私のことを背負った。


「ふふふ、なんか昔のドラマみたい。」

「……王子様じゃないからな。」

「分かってますよ。」


ゆっくり2人でマンションまで歩いていった。

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