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第二十二話 「幸運のガラガラヘビさ。」

雑踏のなかのチェーン居酒屋。

灯りが一つ消えた看板、張っている蜘蛛の巣。

特別なんて、どこにもないように感じる。


私たちは、居酒屋の引き戸を開ける


ガラガラガラ


「いらっしゃいませ〜、あ、毎度どうも〜」


私たちは、いつもの席に案内される。


「ご注文は?」

「生ビール2つ。」

「生ビールをお2つ、生2丁!」

「他にご注文は?」

「ない。」

「……かしこまりました。ごゆっくりどうぞ。」


すぐに運ばれてきた生ビールをちびちび飲みながら、お通しのマカロニサラダをちびちびツマむ。


「……で、好きだったのか?」

「好きじゃないですよ、ママですよ?」

「だな。」


また、ちびちびとツマむ。


「……で、好きだったのか?」

「好きじゃないですよ、ママですよ?」

「だな。」


また、ちびちびと飲む。


「……なら、何で凹んでんのさ?」

「……分かんないです。」


ちびちびツマみながら、ちびちび飲む。


「……奢ってやるから元気出せよ。」

「え、良いの?」


私は、メニューを開いて眺める。


「あ、沖縄フェアやってる。すいませ〜ん〜」

「はい。ご注文は?」

「ハブ酒ください。あとゴーヤチャンプルー」

「ハブ1丁!ゴーヤ一1丁!他にご注文は?」

「以上で。」


店員さんは、すぐにハブ酒のボトルと、グラスを2つ持ってくる。


「……うぇー蛇まんまじゃん……」


先輩がドン引きしている。


「幸運のガラガラヘビさ。」

「お、おう?」


先輩にもハブ酒を注ぐ。

先輩はおっかなびっくり、ハブ酒をちびちび飲んでいた。


「……あ!ミスターカーチスか。」

「え?気づいてなかったんですか?」

「仕方ないだろ、蛇は苦手なんだよ。」

「へえ〜」


私は、ハブ酒をぐびぐび飲んだ。


「……すげぇな。あれ?でも、『幸運のガラガラヘビ』は、名声とお金を運んでくるんじゃなかったっけ?」

「え、恋愛は?」

「ヘビに恋はないんじゃない?」

「…………。」


私は、黙々とハブ酒を飲んだ。

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