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第二十一話 「ザラキ」

「僕、中国帰ります。」


王くんが急に私に言う。


「え、ちょっと待って、え?」


私は、何かを考える暇もなく不意打ちを食らって、思考がフリーズした。


「王くん、ずっといるって言ってたじゃない。」

「え?」

「いや、言ってないか……」


先輩がニヤニヤしながら近づいてくる。


「失ってはじめて気づくものもあるよな。」

「そんなんじゃないです。」

「えー、そんなんだろ?」

「違います。」


王くんは私たちを見て不思議そうな顔をしている。

そんな王くんを先輩がからかう。


「おいおい、何でこんな健気な子を置いて帰国するんだい?」

「??ママがそろそろ帰って来ないか、言いました。」


途端に、先輩も私もスンってなる。


「……そんなんじゃないな。」

「……そんなんじゃないですよね。」


先輩は不思議そうな顔をしてる王くんの肩をポンポンと叩きながら、

「ザラキ」

先輩はドアを開けて出て行った。


「ザラキ?」


王くんは不思議そうな顔をしてる。

私は、王くんの肩をポンポンと叩きながら、

「ゾルトラーク」

ドアを開けて出て行く。


ドアを出たところで、先輩が立っていた。


「飲みに行こうぜ。」

「いいですね。」


2人で、スキップしながら歩いていった。

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