197 「永遠の記憶」
こんにちは。
今回はこちらの本のご紹介をしたいと思います。
少し前に「白鳥とコウモリ」をご紹介した際にも書きましたが、筆者・東野圭吾先生の突然の訃報が流れた今年の夏。そのニュースに驚いたのとほぼ同じタイミングで出版されたのがこちら。事実上、「最後の著作」となるのではないか……と思われますが、ご紹介したいと思います。
〇「永遠の記憶」
東野圭吾・著 / 文芸春秋(2026)
いやこれはね……。読むべきだと思います、東野作品がお好きな方は特に。
実は私が現在勤める学校図書館に、早々に寄贈してくださった先生がおられてこうおっしゃったのです。
「そういう報道などはなかったと思うんですが、東野先生はもしかすると、ご自覚があったのかもしれませんよ」と。
つまりそれは、ご自分の残された寿命についてご自覚があったのではないか……とおっしゃったのです。
未読のときはどういう意味かわからなかったのですが、本作を手にとってみて「なるほど」と思う部分があちこちに。
まず、本作はあの「探偵ガリレオ」シリーズの最後の作品となるもの。
あの「ガリレオ先生」こと湯川先生と、彼とコンビを組んで様々な事件を解決した内海薫刑事、草彅刑事(このお話の中ではすでに管理官ですが)など、おなじみの人物が登場しています。
当時の事件からは、すでに数十年が過ぎ去った時点の物語。
冒頭は、その内海薫刑事が家族の夕食の準備のために訪れた近所のスーパーで何者かに刺されるという事件から始まります。
内海刑事、なんとご結婚されている! そしてなんと、どうやらお子さんがいる!
いやいや……時の流れを感じます。そんな物語なのです、全体的に。
実はこの冒頭の事件だけでなく、湯川先生がずっと心の底に隠していた過去の事件の裏側が次第に明らかになってゆくという流れなので、これはもう是非過去の「ガリレオ」シリーズをお読みになってからのほうがいいかと。
当時から数十年が過ぎ去った湯川先生と草彅さんの姿と、自分のこれからについて語る部分にどうしても作者・東野圭吾さんの思いを重ね合わせずにはいられません。
ミステリーですので、ネタばれは厳禁。
ということで、せいぜいこのぐらいのご紹介しかできないのですが……東野作品を置かれている学校図書館さんには、あってよい本ではないかなと思います。
それでは、今回はこのあたりで。





