180 課題図書2026(3)
こんにちは。
今回も前回の続きで、課題図書の3冊目です。
〇「リュウグウの砂に挑む チームで小惑星のサンプルを分析」
伊藤元雄・著 / くもん出版(2025)
というわけで、3冊目は9類以外の本。
今年は4類ですね、なるほどなるほど。
「はやぶさ2」によってもたらされた、小惑星リュウグウから採取された砂たち。この本は、そのわずかな砂粒を詳細に調査したチームの仕事を、子どもにもわかりやすく丁寧に説明した良書です。
筆者である伊藤先生は、高知県にある高知コア研究所に所属している、隕石などの組成解析の専門家。
大学院を受験するとき、試験官の先生から「宇宙人はいると思うかね?」と質問されたという思い出に始まって、小さな隕石や海底の砂などの中に含まれる物質の組成を詳細に調べるための高い技術を身に着けた経緯や、それを買われてアメリカでの研究に呼ばれたり、あのNASAでも研究の仕事をしたりした思い出が平易な言葉で語られます。
アメリカでの仕事では、かなり英語に苦労されたお話が興味深いですし、科学者としてどのような態度と考え方でこれまで仕事をしてこられたかを知るのは面白いものです。
この本では特に、あの「はやぶさ2」が地球にもたらしてくれたわずかな砂を、世界中の研究者が分け合いながらチームで研究していく流れがわかりやすく説明されています。その砂を運ぶための容器も先生たちが苦労して作り上げたもの。運搬にも細心の注意を払わねばならず、ご苦労がよくわかりました。
特に気になるのは、そのリュウグウの砂に有機物が含まれているのかどうか? ということ。もしもそれが含まれているなら、地球に生命が誕生してきた謎にさらに迫れるかもしれないからです。その流れを追っていくうちに、まるで自分も研究者になったかのような胸の高鳴りを覚えます。
チームで働くとはどういうことか、失敗つづきでも研究が続けられるのはどうしてか……畑違いの自分が読んでも考えさせられる部分が多かったです。
最後に紹介されているアルバート・アインシュタインの有名な言葉がとても説得力をもって迫ってきました。
ご存じのかたも多いと思いますがご紹介しておきます。
『一度も失敗したことのない人は、
新しいことに挑戦したことがない人だ。』
(アルバート・アインシュタイン)
さて今年の中学校向けの課題図書は、3冊を通じてとある同じテーマを持っていたように思いました。
それは「チーム」。
「チーム・テスならだいじょうぶ」などはタイトルからしてそうなのですが、こちらの本もチームで研究を進めていくことの大切さを説いているものですし、最初の「君の火がゆらめいている」も実は「〇〇チーム」というものが物語の中で立ち上がってくる内容。
この切り口で生徒さんたちに紹介するのもアリかな? などと思いました。
ではでは、今回はこのあたりで。





