172 「パパラギ」
こんにちは。
今回もまた本のご紹介。
実はずっと前から学校図書館にあり、確か国語の教科書でも紹介されていた本。
気になってはいたのですが、なかなかちゃんと読めずにこれまで来てしまっていたのですが……「もっと早く読めばよかった!」と、これまた後悔することになりました。
〇「パパラギ(児童書版)」
岡崎照男・訳 / 早川世詩男・絵 / 学研プラス(2021)
サブタイトルとして、表紙には「ヨーロッパを旅した南の島のツイアビが話した、「よく生きる」ための考えとヒント」という文言も添えられています。
ツイアビというのは、今からおよそ100年前、南太平洋・サモア島の族長だった人のことです。彼は当時ヨーロッパを旅して、そこで見聞きしたことをもとに島の人々に文明国でのあれこれを語って聞かせました。
この本は、それをまとめた「パパラギ」という本をもとに、さらに子どもたちにもわかりやすいようにリメイクされたもの。最初の本は第一次世界大戦後に書かれたものだそうなので、だいぶ古い本だと言えるでしょう。
今回のリメイク版は可愛らしい挿絵も入っていて絵本のように読むことができ、非常に読みやすくなっています。
タイトルの「パパラギ」とは、サモアの人々の言葉で「白人」を意味するようになった言葉。文明国に生きる人々を指しているので、これには現代の日本人も含まれることになるのでしょう。
自然とともに暮らすサモアの人々から見て、いかに文明人パパラギが不可思議で、滑稽で、息苦しく生きづらい生活をしているかが、簡単な言葉で如実にさらけ出されていく流れが、なんというか……大変身につまされる一冊。
わたしたち現代人は、知らず知らずのうちに多くのしがらみによってがんじがらめになってしまい、自分の本当の命とか、生きる力とか、身の回りにあったはずの自然を認識する力をどんどん失っていることが、嫌が上にもわからされてしまいます。
読むと、心が少し自由になった気持ちになれる本。それとともに、自分の生き方を顧みて反省し、「そんなことに拘らなくても、人は幸せに生きていけるんだ」と思わせてくれる、そんな貴重な本でした。
学校図書館に置かれている意味はとても大きな本ではないかなと感じました。
このご紹介が、選書の助けになっていましたら幸いです。
ではでは、今回はこのあたりで。





