166 「クスノキの女神」
こんにちは。
今回も本のご紹介です。
今回の本は、少し前にご紹介した「クスノキの番人」の続編です。
〇「クスノキの女神」
東野圭吾・著 / 実業之日本社(2024)
「クスノキの番人」が2020年初版だったので、四年後の作品ということになりますね。
と言うことで、少しだけストーリーのご紹介……と思ったのですが、最初のお話のネタバレをしないでそれが紹介できるのだろうか、ということにハタと思い至るわたくし。
……不安はありますが、なんとか頑張ってみましょう。
さてさて。
主人公は前作と同じく「クスノキの番人」青年・直井玲斗。
いつものようにその仕事をしていたところへ、とある三人きょうだいがやってきます。一番上の姉は高校生で、佑紀奈。彼女は自分たちが作ったクスノキに関する詩集をもってきて、神社に置いてほしいと頼んできたのです。
当の詩集は、内容こそよさそうなのですが、単にコピーしたものをステープラーで止めただけの素朴なもので、到底売れるとは思えないものでした。たとえそれが、たったの二百円であったとしても、です。
ところがその詩集を、二百円すら払わずに持って立ち去ろうとする中年男が。実はこの男、とある事件の犯人ではないかと刑事たちから目をつけられていたのでした。
物語はその事件の謎とともに進み、やがて、脳に大きな障害をうけて、一度眠るとその日にあったことをきれいに忘れてしまう少年・針生元哉や、玲斗の伯母で彼をクスノキの番人に指名したその人である、千舟のその後の様子を描写しながら進んでいきます。
今回は、非常に「命」だとか「人生」だとかを考えさせられるお話でした。
いつもの東野圭吾氏の筆致はそのままに、非常に読みやすいのですが、残酷な殺人事件が起こって……という流れではなく、比較的淡々と進んでいきます。それでいて読み飽きず、次々と現れる謎──主に、登場人物が何を隠していたのか、ということ──に興味を引かれてページをめくっているうちに、いつのまにか読み終えている……という感覚でした。さすがですね。
今回は特に、千舟さんと元哉くんの顛末が心に残りました。
「人生とはなにか」「幸せとはなにか」。そういったことに様々に迷う時期でもある中高生が読むのにふさわしい本ではないかと思います。
よろしかったらご検討ください。
ではでは、今回はこのあたりで。





