第三九話 「和風喫茶」
今回は真昼視点です。真昼ってだれやねんボケ!って人は前作どうぞ↓↓↓
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「次はどこへ行きましょうか。」
学院内を歩きながら、五条紫雲が柔らかく微笑む。
「せっかく来たんですもの。色々見て回りたいです。」
「私は甘いもの!」
乃亜が勢いよく手を挙げる。
「まだ来たばっかりでしょ。」
真昼が苦笑する。
「文化祭って歩いてるだけでお腹空くんだよ!」
「乃亜先輩らしいですね。」
茜が小さく笑った。
「そうかしら。」
赤城は案内板を眺める。
「……和風喫茶。」
「ここ、私たちの頃は普通の喫茶店だったわね。」
「あー!そうだった!」
乃亜が思い出したように声を上げる。
「真昼がエプロン姿で接客してたよね!」
「懐かしいですね。」
紫雲がくすりと笑う。
「あの時は、とてもお似合いでした。」
「……思い出させないでくれ。」
真昼は珍しく困ったような表情を浮かべる。
「えー?私はまた見たいなぁ。」
乃亜がにやりと笑う。
「今でも絶対似合うって!」
「やめろ。」
「照れてる。」
「照れてない。」
赤城が呆れたようにため息をつく。
「あなた達、本当に卒業したとは思えないわね。」
「赤城だって楽しそうじゃん。」
「べ、別に。」
「顔が緩んでる。」
「……うるさい。」
そのやり取りに紫雲と茜が笑う。
「皆さん、本当に変わりませんね。」
「こうしてまた一緒に来られて嬉しいです。」
紫雲の言葉に、一瞬だけ全員が静かになった。
真昼は校舎を見渡す。
「……ああ。」
「また皆で来られてよかった。」
短い一言だった。
しかし、それだけで十分だった。
乃亜は嬉しそうに笑い、赤城は照れ隠しにそっぽを向く。
茜は穏やかに微笑み、紫雲は真昼の隣で優しく笑った。
「じゃあ入りましょう!」
乃亜が先頭に立ち、暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ。」
落ち着いた声が店内に響く。
和装姿の少女が、五人へ丁寧に一礼した。
「五名様でよろしいでしょうか。」
「はい。」
真昼が答える。
「こちらへどうぞ。」
雪音は五人を窓際の席へ案内する。
「ご注文がお決まりになりましたら、お呼びくださいませ。」
それだけ言うと、雪音は別の客のもとへ向かった。
「すごく綺麗な所作だったね。」
紫雲が感心したように呟く。
「ええ。」
真昼も静かに頷く。
「よく教育されている。」
「この学院らしい生徒ね。」
赤城もそう言って店内を見回す。
「さぁ!」
乃亜がメニューを広げる。
「何食べよう!」
「乃亜先輩は迷わず甘味ですよね。」
茜が微笑む。
「もちろん!」
五人の笑い声が、和風喫茶に優しく溶け込んでいった。




