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第三十五話 「文化祭準備」

翌週。


ホームルーム。


「それでは、文化祭の出し物を決めます。」


宮里蘭の一言で教室が賑やかになる。


「メイド喫茶!」


「お化け屋敷!」


「劇もいいんじゃない?」


次々と案が飛び交う。


その様子を雪音は静かに見守っていた。


「千夜さんは何かやりたいことある?」


クラスメイトに尋ねられ、雪音は少し考える。


「皆様が決めたことに従いますわ。」


「千夜さんらしいね。」


教室に笑いが起こる。


⸻


結局、クラスの出し物は和風喫茶に決まった。


「千夜さん、和服似合いそう!」


「絶対看板娘じゃん!」


「楽しみ!」


雪音は困ったように微笑む。


「精一杯、お手伝いさせていただきますわ。」


輝夜は雪音の肩を叩いた。


「一緒に頑張ろうね!」


「ええ。」


⸻


放課後。


教室では早速、役割分担が始まっていた。


「私は飾り付けやる!」


「私は会計!」


「料理班足りない!」


雪音は静かに手を挙げる。


「わたくし、お料理でしたらお力になれるかと。」


「助かる!」


「じゃあ千夜さんは料理班!」


拍手が起こる。


雪音は少し照れくさそうに頭を下げた。


⸻


帰り道。


「雪音さん。」


輝夜が隣を歩く。


「文化祭、成功するといいね。」


「そうですわね。」


「皆様と思い出を作れるよう、頑張りたいですわ。」


「うん!」


輝夜は満面の笑みを浮かべた。


その笑顔を見た雪音も、自然と微笑む。


学院での日々は、少しずつ雪音にとって大切な時間へと変わっていた。


だからこそ。


その穏やかな日常が、もう長くは続かないことを。


雪音はまだ知らなかった。

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