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第三十四話 「招待状」

金曜日。


ホームルームが終わると、宮里蘭が教壇に立った。


「はい、みんな聞いて。」


教室が静かになる。


「今年の学院祭の日程が正式に決まりました。」


その一言で教室がざわつく。


「やったー!」


「今年は何をやろうかな!」


「楽しみ!」


蘭は苦笑しながら続ける。


「まだ時間はありますから、来週からクラスごとに出し物を決めます。」


「それと、卒業生にも招待状を送ります。」


雪音は静かにその話を聞いていた。


⸻


昼休み。


「雪音さん!」


輝夜が嬉しそうに席へやって来る。


「学院祭楽しみだね!」


「わたくしは初めてですので、少し楽しみですわ。」


「絶対楽しいよ!」


「去年の先輩たちも遊びに来てくれたし!」


「今年も来るかなぁ。」


雪音は微笑む。


「賑やかになりそうですわね。」


⸻


放課後。


生徒会室。


皐月を中心に学院祭の準備が始まっていた。


「今年も忙しくなりそうですね。」


皐月が資料を整理しながら笑う。


「そうですね。」


雪音も手伝いながら頷く。


「雪音さんがいてくれると助かるよ。」


「ありがとうございます。」


学院祭。


雪音にとっては初めての行事。


ただ、それ以上の意味を持つ日になることを、この時の雪音はまだ知らなかった。


⸻


その夜。


五条家。


「会長。」


一人の使用人が封筒を差し出す。


「天女学院からです。」


五条真人は封を開け、中へ目を通す。


「学院祭の招待状か。」


そこへ真昼が部屋へ入ってきた。


「父さん、呼んだ?」


「ああ。」


真人は招待状を真昼へ渡す。


「今年も学院祭へ行ってこい。」


真昼は懐かしそうに笑う。


「久しぶりだな。」


「紫雲たちにも声を掛けておくよ。」


「頼んだ。」


真人は静かに頷く。


その招待状が。


数週間後、多くの者たちの運命を大きく変えることになるとは。


まだ誰も知らなかった。

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