↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/84

第十五話 「初めてのテスト」

五月。


新学期が始まってから、一か月が過ぎようとしていた。


教室では、生徒たちが慌ただしく話している。


「もうすぐ中間テストだね……。」


「全然勉強してないよ~。」


そんな声があちこちから聞こえてくる。


雪音は教科書を静かに閉じた。


「中間テストですか。」


その隣で、輝夜は机に突っ伏していた。


「終わったぁ……。」


「まだ始まってもいませんよ?」


「そうなんだけど!」


「勉強苦手なんだもん!」


雪音は苦笑する。


「お力になれることがあれば。」


輝夜は勢いよく顔を上げた。


「本当!?」


「はい。」


「でしたら、本日放課後にでも。」


「やったー!」


教室中に響くほどの声だった。


⸻


放課後。


図書室。


雪音、輝夜、そして美羽の三人は同じ机を囲んでいた。


「じゃあ、ここ教えて!」


輝夜は数学の問題集を雪音の前へ置く。


雪音は問題を見る。


「こちらは、この公式を使います。」


分かりやすく、一つひとつ説明していく。


「なるほど!」


「そういうことか!」


輝夜は嬉しそうに頷いた。


一方、美羽も英語の問題を解いていた。


「雪音さん。」


「この文法は合っていますか?」


「はい。」


「ですが、こちらの表現の方が自然ですね。」


「ありがとうございます。」


美羽はメモを取りながら微笑んだ。


⸻


一時間後。


「疲れたぁ……。」


輝夜が大きく伸びをする。


「でも今日はいっぱい分かった気がする!」


「それは良かったです。」


雪音は静かに微笑む。


「雪音さんって、本当に教えるの上手だね。」


「そうでしょうか。」


「うん!」


「先生になれるよ!」


その言葉に雪音は少しだけ照れたように目を逸らした。


⸻


帰り道。


「雪音さん。」


輝夜が歩きながら言う。


「テスト終わったら、どこか遊びに行かない?」


雪音は少し考える。


「皆さんがよろしければ。」


「もちろん!」


「美羽ちゃんも誘おう!」


輝夜は嬉しそうに笑った。


その笑顔を見て、雪音も小さく微笑む。


学院へ来て一か月。


気付けば、一人でいる時間よりも。


誰かと過ごす時間の方が増えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。