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——ドンッと音がして、赤い花が空に咲いた。


「——え……?」

「あの事故は、友香の命を奪ったんだ」

その声は、泣いていた。


——ドンッ


「勇哉、何を言って——」

「あの時、路地にいた時、車に気付かなかった僕を、友香は突き飛ばして助けてくれた。植木にぶつかったけど、大したことはなかった。もう、痛くないよ」

「え……?あの時、勇哉は頭を打って……そのまま……」


——ドンッ


「友香、友香はもう、現実を見なきゃいけない。いつまで自分をごまかし続けるの?」

「……私は……」


——ドドン!


「……頼むから、僕のことを、勝手に、友香の中で、死なせないで……ね?」


——ドドン!ドン、ドン!


続けざまに光の花が咲く。

儚くそれは散っていく。

それは、そう。命のように……


「……勇哉……」

勇哉は黙って私の手首を掴んで、花火の光にかざした。

私はそれをみて絶句した。


ドドン!ドドン!


——私の手は、透けていた。

その瞬間、全て理解した。

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