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——ドンッ


「ねぇ、この間、田野口先生が言っていたんだけど」

「国語の?」


国語の田野口先生と言えば、授業中に雑学を披露することで有名だ。授業中のトークも面白く、教えるのが上手いということで生徒に人気がある。

その田野口先生だろうか?


勇哉はこくりとうなづく。

「なぜ、人は花火と桜を恋人と見にいくのかって話。聞いたことある?」


——ドンッ


「……ないよ」

「……それはね」


——ドンッ


「花火も、桜も、恋も、儚いものだからなんだって」

「……そっか……」


——ドンッ


「……でもね、田野口先生は言っていなかったけど」

勇哉の口調が暗くなった。

「僕はね、思うんだ」


——ドンッ


振り返ってみると、勇哉は俯いている。

「……儚いものは、それだけじゃない」


——ドンッ


「……それはね」

「……人の命」

耐えきれなくなって、その言葉の続きを言ってしまった。


——ドンッ


「……その通りだよ」


——ドンッ


私は、あの事故でそのことを思い知らされたのだ。それを言おうとして、口を開く。

「だってあの事故は——」








「——友香の命を簡単に奪っていったから」








私の言葉を、勇哉が継いだ。

予想外の言葉で。

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