収穫の小さな祭り
早穂の収穫が終わると、子どもたちが踊りたいと言い出した。去年は冬を越すのに精一杯で、村の古い祭りが開けなかった。サラは余った麦で薄い焼き菓子を作りたがったが、ニーナは備蓄を減らすことを心配した。ミラは祭りを贅沢だと切り捨てたくなかった。
エダが確かめると、試験区画の収穫だけでは昨年の祭りと同じ量を用意できない。そこで家々から少しずつ持ち寄れるものを聞いた。干し果実、豆、古い布、歌。オル婆は食べ物の代わりに昔の踊りを教えると言った。小さな祭りなら、倉庫を空にせず開けそうだった。
当日、広場の石を片付けると、リネが布で飾りを作った。ルークは鐘を鳴らしたがり、夜番の合図と混同しないよう、音の違う小さな鈴を使った。村の役目のために作った道具が、祭りにも使われる。誰も工事や帳面の話ばかりしているわけではなかった。
ティアは妹の手を取り、踊りの輪へ入ろうとした。リネは恥ずかしがって逃げたが、オル婆がゆっくり手を出すと、足を一歩だけ動かした。上手ではなくても拍手が起こった。ミラはその様子を見て、倉庫の数字では測れないものがあると感じた。
祭りには、グレサからも二人の客が来た。ユナは柳の小籠に豆を入れて持参し、サラへ渡した。客の料理を豪華にする余裕はなく、皆が同じ焼き菓子を食べた。グレサの歌はハルヴェの歌より節回しが速く、子どもたちは合わせようとして転びそうになった。笑い声は広場の端まで届いた。
夜、祭りの火を消すと、サラは焼き菓子の残りを翌日の鍋へ回した。ミラは種麦を使わなかったかだけ確かめ、それ以上の勘定を口にしなかった。今日の楽しみを明日へ残すことも、村を守る一つの方法だった。




