一枚足りない板
新しい収穫を量るための板が、一枚だけ倉庫から消えた。エダは盗まれたのではないかと疑ったが、ギルは修理の時に自分で使った気もすると言った。広場で噂が広まり、最近来たリネへ疑いの目を向ける人がいた。ミラは誰の名前も出さず、まず板の出入りを調べた。
記録にはギルの名があるが、返却日は空欄だった。ギルは作業場の隅から似た板を持ってきた。端には倉庫の印が残っている。穴を塞ぐため切ってしまったので、元の長さには戻せない。皆が顔を見合わせる中、ギルは黙って頭を下げた。
エダは安堵したが、リネは俯いたままだった。誰も直接責めていないつもりでも、疑われたことは伝わっていた。ミラは会議で、最近来た人だからという理由で疑うのはやめようと告げた。証拠がない時は、知らないことを知らないままにしておかなければならない。
ギルは代わりの板を作り、使う時はその場で必要な長さを書くと約束した。取り出す記録を面倒だと言っていた彼が、いちばん早く署名した。エダも、返却が確認できない時は個人へ決めつけず、まず当日の作業を聞く手順を付け加えた。
後日、リネが棚の寸法を紙へ書いてギルへ渡すと、彼は読み上げて確認した。長さを聞き違えると作り直しになるからだ。少女は最初、自分の字を見せるのをためらったが、ギルは間違いを探すような顔をしなかった。二人は数字を一つずつ指で追い、棚板の幅を揃えた。
夕方、リネはレアの仕事場で黙々と針を動かしていた。ミラが謝ると、少女はすぐには返事をしなかった。信頼は説明一つで元に戻らない。翌朝、ギルが縫い袋の棚を作りに来た時、リネは小さな声で寸法を伝えた。距離が縮まるには、まだ時間が要る。




