麦殻の山
早穂を脱穀した後、広場には麦殻の山が残った。ハロルドは家畜の敷料に使えると言い、ニコは粉塵が多くて山羊が咳をすると嫌がった。子どもたちは柔らかな山に飛び込もうとし、サラが慌てて引き止めた。ミラは使い道を決める前に、麦殻が風で飛ぶ場所を変えた。
オスカーが林の風下に小さな囲いを作り、脱穀の作業場から離した。ところが囲いの近くにはオル婆の豆の鉢が並んでおり、細かな殻が葉へ積もった。誰も気づかない隅だと思っていた場所にも、暮らしはある。ミラはオル婆に謝り、囲いをもう一度動かした。
ニコは麦殻を少量だけ敷料へ混ぜ、翌朝、山羊の様子を見た。問題はなかったが、全部置き換えるつもりはない。ハロルドは畑の通路へ敷いて泥を抑えることを試した。雨が降ると殻が流れ、排水溝へ集まったので、通路の端に網を張った。
これまでは捨てる物として一つの山にしていた。今は乾いた殻、湿った殻、土の混じった殻を分けるようになった。エダは「袋がまた足りない」と笑い、レアは余り布を縫って簡単な入れ物を作った。不要な物を使おうとすると、別の道具も必要になる。
麦殻を運ぶ時、ルークはくしゃみを繰り返した。ニーナは風下へ移動させ、口元を薄い布で覆うよう頼んだ。老人の中にも粉が苦手な者がおり、殻を乾かす日は近くの家へ知らせることになった。何かを再利用できても、その粉や匂いで別の人が困るなら置き場所を考え直す必要がある。
夕方、ミラは麦殻の一握りを指でこすり、空へ放した。風に乗った細い殻はすぐ見えなくなる。収穫の後には粒だけでなく、扱うべき物が山ほど残る。次の冬に役立つかどうかは、今日の小さな試験だけでは決められなかった。




