役所から来た靴
郡都の補佐官が二人の役人とともにハルヴェへ来た。現地確認だという。彼らの靴は泥道で汚れ、最初に会ったルークは道を間違えたのかと心配した。ベルクは挨拶をし、ミラとエダを倉庫へ呼んだ。提出した記録と同じ帳面を見せる準備ができていた。
役人は畑の収穫量を確かめ、前年の税額を読み上げた。早穂の試験区画を見て「豊かになったのでは」と尋ねたが、ハロルドが村全体の畑とは違うと説明した。ミラは比較する畝の面積を示し、試験した理由も伝えた。数がよく見える部分だけを切り取れば、暮らしを誤って伝えてしまう。
彼らは井戸と橋も見た。橋へ向かう道にある通行止めの布を見て、役人の一人は「村の判断で国道を塞ぐな」と言った。ベルクは事故が起きる危険を話し、補佐官は橋板の傷みを自分の目で確かめた。通行止めの是非は郡で検討すると述べたが、その場で橋を開けろとは命じなかった。
昼食には特別な料理を用意しなかった。サラはいつもの共同鍋から汁を分け、役人も村人と同じ椀で食べた。エダが費用を出そうとすると、補佐官は自分の分を払った。接待に見えないようにするためだと説明され、ベルクは頷いた。
役人の一人は干し棚のそばで足を止め、布の網が麦へ擦れていないか尋ねた。いつもは冷たく見えた男が、昔は粉屋の息子だったという。ヨレンは思わず作業の話を始め、二人はしばらく風向きについて言い合った。役所の服を着ていても、それぞれ別の暮らしを経てここへ来ている。
帰り際、補佐官は村の記録を郡へ持ち帰るため、一部の写しを求めた。ミラは渡す紙を一枚ずつ確かめ、原本を棚へ戻した。税が軽くなるとは言われていない。それでも村の困りごとは、初めて机の外で見られた。




